2011.5.9
原発の即時停止反対



私は原発を目の敵にしようとは思いません。

しかし長期的には地震国の日本に果たして原発が適しているかどうかには、首を傾げざるを得ません。
 
でも化石エネルギー(石炭・石油など)依存をこれ以上増やすことは、現実的に不可能だと思います。火力発電は

炭酸ガスを排出します。炭酸ガスは濃度が高くなると、地球が温暖化する(真偽は不明)という説があります。

ついこの間まで炭酸ガス排出量削減で、世界中大騒ぎがあったばかりです。炭酸ガス問題はさておき、果たして

原発をやめるために必要な大量の石油石炭の輸入が可能なのかどうか、私は疑問だと思います。


日本は火山国です。つい先日九州南部の新燃岳(しんもえだけ)噴火で大変な騒ぎがありました。東日本大震災の

あおりで新聞テレビの話題になっていませんが、地元では今でも大変お困りになっているだろうと思います。

火山国であることをメリットに変えられないものでしょうか。火山国であるアイスランドは地熱発電大国だそうです。

地熱発電とはどういうものか調べてみたら次のようなものが見つかりました。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%86%B1%E7%99%BA%E9%9B%BB


その問題点を書いたものも幾つかありました。その一つが次のものです。

http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/60696425.html


読んでみるとこれは大変だと思いますが、原発をいずれやめたいと思うなら、この困難を避けて通るわけにはいかな

いと思います。 一企業が取り組むのは無理でも、国家として本格的に取り組めば、いつか解決できる日が来るのでは

ないでしょうか。

将来を見据えることを怠ってはなりません。しかし当面の急務は、もちろん東北復興です。

そのためには電力の安定供給が欠かせません。
 


電力の消費量には日によって、時間帯によってピークがあるそうです。

正確なことは知りませんが、真夏の暑い日の午後2時頃から7時頃まで、家庭でクーラーをつけたり料理をしたりテレ

ビを見たりするため消費量のピークができるようです。先の計画停電の際も日曜には停電が行われませんでした。

電気は貯蔵ができないから、このピークが小さければ電力会社は余分な発送電設備を持たないで済みます。


太陽光発電はコストが非常に高いようです。しかしその発電のピークが夏の暑い日の午後であることを考えると、

ピークをならす意味で同じ1kwの電力でも値打ちのある1kwだと思います。

いつ発電できるか判らない文字通り風任せの風力発電より、遙かに値打ちのある1kwです。

政府はもっと太陽光発電を奨励すべきではないでしょうか。そして各家庭にバッテリーを設け、ピーク時間の電力消費

量を減らすように誘導することが必要です。


また今度の原発事故で電力料金が上がることは避けられないと思います。

その時に一律に引上げるのでなく、時間帯によって料金に差をつけるべきだと思います。

つまりピーク時間に電力を使えば高くなるようにすべきです。

そのようなことは専門家にとっては当たり前のことで、私のような門外漢が言うまでもないことです。

しかし専門家であるため、電力会社の社員であるため発言しにくい面があるのではと思い、当たり前なことをぐだぐだ

と書き連ねた次第です。


今日本は第二次大戦の敗戦以来最大のピンチに立たされています。

今一番大切なことが被災者の生活再建であることは明らかです。そのためには何より資金が必要です。個人も企業も稼

いで税金を払わなければ、資金の出所はありません。増税をするか、しないか、議論が分れています。その議論の当否

は私には判りません。しかし企業・個人の収入が増えなければ、間違いなく復興に回る資金は減少します。

既存原発を停止して企業活動を停滞させることは、何としても避けなければなりません。

東北地方でなくなった方は、全て地震と津波の犠牲者です。

東電福島原発でなくなった方は、津波の犠牲者(確かお二人)だけです。放射能が原因でなくなった方は一人もいません。

福島原発の失敗を繰り返さない処置(地震が発生したときに安全に停止できる)をして、一日も早く既存原発を運転しない

と東北復興は遅れます。いや下手すれば不可能になります。
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