2011.3.17
東北・関東大震災
まず最初に被災者の方々にお見舞いを申し上げます。
また犠牲になられた方々のご冥福を祈ります。
現場で被災者の救出、その他いろいろな任務に就いておられる自衛隊、警察、消防、海上保安庁、そのほか電力、
通信、交通などで国民生活を守っておられる皆様に感謝します。
震源から遠い東京でもひどい揺れには驚きました。最初「おや地震だ!」と思ったが段々ひどくなり、一向に止み
ません。これはひどい、もう少し安全なところに移ろうとベッドの上に腰を下ろしました。見ている前で、机の上
の本立ての本がバタバタと落ちました。
2-3分も揺れが続いたでしょうか。終わりました。呆然としてベッドの上で、周囲を眺めていると、職員がノック
してドアを開けてくれました。
「こわいよー! 増田さん大丈夫?」 「大丈夫だよ」
「寒いだろうけど、ドアが開かなくなると困るから閉まらないようにしてよいですか?」 「ああ、お願いします」
というような問答をしました。
「皆さん下に降りています」といわれたので、私もよたよたと立上がり歩行器につかまって部屋を出ました。エレベ
ーターがストップしているので、歩行器を運んで貰って、手すりに掴まりながらゆっくりと階下におりました。
エレベーターは停まりましたが、停電はせずテレビも見られるし、助かりました。
向かいの農家の蔵の棟瓦が長さ1mぐらい落ちていました。ポルテドール光が丘の建物には異常がなかったようで、顔
を見合わせて「ひどかったね」と口々に話しました。
私はしばらく話した後、表に出て道路を渡り向かいの畠の中を歩こうと思い、歩き始めました。とたんにまた猛烈な
揺れがやってきました。歩行器が動かないようにブレーキをかけて、椅子に腰掛けました。呆然と周囲を見回して、
揺れが停まるのを待ちました。
なるべくブロック塀には寄らないようにして、一回りしました。この近所には被害がなかったようでほっとしました。
食事をして部屋に戻り、パソコンを開きました。孫から無事かどうかを問い合わせるメールが入っていました。
無事をメールで知らせ、インターネットの威力を痛感しました。
すさまじい地震でしたが練馬は被害が少なく、幸いでした。
まさかM9.0という記録的地震とは思わず、東北地方の惨状を伝えるテレビに目を覆いました。時間が経つにつれ各地
の被害が明らかになり、驚くばかりでした。
福島原子力発電所の被害はとどまることを知らないようです。東京電力の対応は決して褒められたものではありません。
何か組織全体として立ちすくんでしまっているような印象を受けます。官僚的な組織になっていて、非常事態に対処す
る能力がなくなってしまっているような気がします。
一方それを監督する立場の政府も、パフォーマンスしか考えない菅総理を筆頭に、統治能力を発揮できないように見え
ます。非常の場合に人間の値打ちが現われるといいますが、まさにそれが実証されています。
戦後直ぐのころ日本の軍隊は、兵隊は精鋭、下士官も熟練しているが、高級将校が無能だったといわれました。
今の日本政府がまさしくそうです。自衛隊、警察、消防、海上保安庁は立派な働きをしています。ところが内閣は何と
も頼りない。 首相は何をすればよいのか、よくわかっていないのはないでしょうか。
兎に角現地に行きたがる。ヘリコプターに乗るのが好きなら、もう少し平和なときに乗るとよろしい。
自分が現地を視察することの、メリットとデメリットを考えたら、わかりそうなものですが。
小説「坂の上の雲」で司馬遼太郎さんが書いていますが、日露戦争で日本軍の総司令官、大山巌将軍は激戦のただ中で
作戦は全て児玉参謀長に任せ、自分は作戦会議にも出席しなかったといわれます。出席したときは必ず「今日はどこぞ
で戦があり申すか?」というようなとぼけたことを言い、会議の空気を和ませたと言います。
戦後日本に帰国した大山将軍の頭髪は真っ白になっていたそうです。息子さんが「戦争で何が一番大変でしたか」と訊
ねたら「知っているのに、知らないそぶりをするのが一番大変だった」と答えられたと言います。
菅総理は東電の幹部を罵ったそうです。罵るより具体的に何をするのか決めるのが一番大切であることを、総理は知ら
ないようです。非常事態に対処できるような器でないことを露呈しました。
この人は「坂の上の雲」を読んでいないのでしょうか? 読まなくてもこのくらいのことは自覚して貰いたいですね。
この非常の時、菅さんのような人物が日本国の最高責任者であることは日本の悲劇です。以前から賢くない人だとは
思っていましたが、これほどだとは思っていませんでした。パフォーマンスしか頭にないので、東電幹部を叱りとばし
たりするのでしょう。反省する回路が脳の中にないのでしょうね。
一番国のためになるのは自分がもっと有能な人に総理を代わって貰うことですが、そういう ことには気がついてもや
らないでしょうね。残念です。
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