2008.12.24
強欲がもたらした不景気



                                                                                  増田 次郎


私は強欲が諸悪の根元だと思っています。

大体今回のアメリカ発不況の一因は、金融市場にだぶついたドル札で実体経済とは無関係に原油や食料などを

買いあさり、値段をつり上げてバブルをつくった人がいたことにあるのではないでしょうか。

バブルができれば、いつかは必ずはじけます。バクチは勝つこともあるし、負けることもあるはずです。

負けた人が夜逃げをすると、周囲にいる人が迷惑をします。
 
また貧しい人に高金利でお金を貸して住宅を購入させた。その債権を分割して不特定多数の人に売った。

サブプライムローンというのは、そういうことではないかと思っています。借金をした人がお金を返せなくな

れば、債権を買った人にお金が戻らなくなるのは当たり前のことでしょう。アメリカの証券会社は、こういう

類の物騒な仕事に手を出していたようです。リーマン・ブラザースという100年以上の歴史を持ったアメリ

カの大証券会社が、先日あっさり倒産してしまいました。迷惑なのは一般投資家です。

知らずに大きな会社が売っている債券だから大丈夫だろうと思った人が、皆引っかかってしまった訳です。
 

アメリカの証券会社がつぶれるのは、われわれに関係がないと思っていました。

ところが大損をした人が財布の紐を締めたから、世界中で品物が売れなくなった。そのために値段が高い品物

は売れなくなっています。売れなくなった品物の代表が自動車であり、大型の液晶テレビです。

世界最大のトヨタ自動車が平成20年度の決算で赤字に転落するそうです。 大変な不況です。失業者が増え

るのは間違いありません。しかし1945年に日本が戦争に負けたときのことを考えれば、この不況といえど

も大したことではないと思っています。あのときは食べるものが全くありませんでした。白米のご飯は貴重品

でした。糖尿病や胃潰瘍などという病気はありませんでした。

ただただお腹が空いていました。1億総ダイエットでした。戦災で家を焼かれた人は、まさしくホームレスでした。
 

あのころ今のような日本になるとは思ってもいませんでした。40年ぐらい前、トヨタの重役さんが「晴れた日

にはGMの影がはるか彼方にかすかに見えるようになった」といっておられました。

そのGMが倒産しそうになっています。欲が深すぎるのはいけません。ことにほかの人のことはお構いなし。

自分さえよければよいというのは、自分の身を滅ぼします。いや、自分の身どころか地球を滅ぼします。

足ることを知って、ささやかな幸せに満足しましょう。
 
不況も好況と同様、決して長続きしません。明るい未来を信じて頑張ろうではありませんか。

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