2008.11.13
米国の大統領にオバマ氏が当選




                                                                              増田 次郎


米国の大統領には、民主党のオバマさんが共和党のマケインさんを破って当選しました。よその国の大統領

選挙をコメントする資格などないことを承知の上で、感じたことを申し上げてみたいと思います。
 
オバマさんは初めての黒人大統領です。米国は20-30年前まで黒人は差別の対象でした。終戦後、日本占領軍

に大勢の黒人兵がいました。当時日本人も初めて見る彼らに、大いに違和感を感じた覚えがあります。
 
かつては同じバスに乗れなかった歴史のあるアフリカ系米国人の人々。公民権運動の中心人物であったキング

牧師が暗殺されたのは1968年4月のこと。 今から僅か40年半前のことです。
 
またかつて白人の中に過激な差別思想の持ち主がいて、クー・クラックス・クラン(KKK)という団体があったそ

うです。今はすっかり影を潜めているようですが、こういう差別意識は、日本の部落解放運動にも見られるよう

に一朝一夕にして解消するものとは思えません。
 

最近でもケネディ大統領が暗殺されたことは、記憶に新しい事実です。心配なのは一部の差別主義者が、オバマ

さんを狙うのではないかということです。外国人の私にいわれるまでもなく、米国の公安当局は十分警戒してい

るでしょうが、恐ろしいことが起こらなければよいがと思います。
 
オバマさんは、アフリカや東南アジアには人気があるそうです。

アフリカ、特にアフリカ東部のソマリアは治安が悪いどころか内戦状態にあるようで、世界平和のウイークポイ

ントと考えられているようです。オバマさんは父方のご先祖がケニアのご出身だそうで、アフリカに人気のある

大統領は世界の平和にとって大きなプラスになると思います。
 

われわれ日本人として一番心配なのは、オバマさんが先輩のクリントンさんのように日本を無視するのではない

かということです。「北朝鮮に拉致された日本人がいる。そんなことは知ったことか」といわれるのが心配です。

ブッシュさんはいろいろ気を遣ってくれていたように見えましたが、最後は制裁解除という形で米国の国益を優

先しました。
 

北朝鮮は核爆弾を持っています。これを米国まで飛ばすだけの実力があるかというと、かなり疑問だと思います。

また米国に核攻撃をしたら大変な報復を受け、首脳部の全員が殺されるぐらいのことは分かっていると思います。

中国やロシアを核攻撃することも考えられないと思います。そうすれば北朝鮮が狙うのは日本しかあり得ません。日本には

自衛隊がいますが、この軍隊は先制攻撃を認められていないし、報復しようとしてもがんじがらめに法律で規制

されていて何もできないでしょう。
 
日米間にすきま風が吹き始めたなら、北朝鮮がチャンス到来と思わないわけがありません。

オバマさんは北朝鮮のテロ支援国指定解除に賛成しておられるそうです。

新大統領が反日的でないことを祈るばかりです。

                                                                                       目次へ