2008.10.1
政治家の話



                                                                           増田 次郎


残念ながら現在は世界中政治の世界には、政治家(statesman)は少なく政治屋(politician)ばかりのようです。

ここで書きますのは政治家の話であり、政治屋の話でもあります。
 
今の政界は二代目、三代目ばかりだと批判される方が多いです。世襲議員が多いのは、日本人にブランド好

きが多いからだと言われる方がいます。確かに日本人はブランドが好きです。私のような無趣味な男でも、

エルメスだとかグッチだとか言う名前を知っています。ただし品物は持っていません。

私の衣類で一番多いのはユニクロかも知れません。ユニクロで上から下(下着を含む)まで、ブランド品でば

っちり決めていると威張って皆さんに笑われております。

ブランド品は昔から品質がよかったから皆さんに愛されているのでしょう。

私はけちだからブランド品を買わないだけです。別に嫌いなわけではありません。


江戸時代の大名は世襲でした。しかし後世まで名前が残っている名君が少なくありません。

たとえば米沢藩の上杉鷹山公は大変偉い方だったようです。

この方は上杉謙信公の直接の子孫ではないようですが、いずれにせよ大名家に生まれ名門上杉家を継がれた

方ですから、お家柄のよい方だったろうと思います。米沢の財政を再建された方として現在に至るまでその

名前が語り継がれて尊敬を集めておられます。名君、賢君はこの方だけではなく、大勢おられます。
 
日本だけではありません。中国でも建国の英雄、太祖皇帝に勝る二代目皇帝太宗が少なくありませんでした。

(60年以上前の中学生時代東洋史で教わった知識です)


私は全て生まれでなく、その人を評価すべきだろうと思います。

家柄の悪い人を見下すのはもちろんよくないことですが、逆に二代目、三代目だから駄目だというのもおかし

いと思います。そういうことは人間の評価に関係がないと思います。
 
小泉元総理が政界を引退して、次男が同じ選挙区から立候補するという話を聞きました。次男さんご本人が立

派でないなら、これは問題です。しかし後援会の皆さんが支持されているのなら、一概に世襲だから駄目と決

めつけるのはおかしくないでしょうか。
 

田中角栄さんは一代で貧困の中から、総理にまでなられました。功罪さまざま、毀誉褒貶の多かった方です。

死後さほど年数が経っておらず、評価は後世が決めることだと思いますが、私には金権政治を日本に初めて確

立した方のように思えます。世襲は悪いと決めつけるのはおかしくないでしょうか。

私は政治の世界が利権と結びついていることが最大の問題点だと思います。

残念なことですが、利権のあるところには必ず腐敗がつきまとっています。

歴史的に見ても権力は必ず腐敗を招いてきました。


明治時代初代総理大臣の伊藤博文は、暗殺されました。その時明治天皇は「伊藤は蓄財しなかったから、遺族

が生活に困るのではないか。調べてみるように」と側近にいわれたそうです。調べた結果遺産がほとんどなか

ったという話が残っています。明治天皇はお手元金を遺族に渡されたという美談が残っています。


伊藤博文は女性遍歴の激しい人だったといわれます。しかし個人的な蓄財は考えない人だったようです。

彼は若いとき同じ長州藩士で同士だった井上馨のことを「三井の番頭さん」と揶揄して、その腐敗ぶりを皮肉

っていたといいます。

 
政治家はお金が残らない仕事だと思って欲しいのです。

お金が欲しければ別な仕事をしてほしいものです。政治家は選挙民にたかられることが多いようです。

選挙民も考えなければなりません。自分の利益だけを考える人が、自分の利益だけを考える人を議会に送り込

んでいるのです。
 
政治家は全て財産を公表する制度を導入すべきです。その財産をどうやって形成したかも公表する義務を負う

べきだと思います。権力を持とうとする人は、プライバシーを犠牲にする覚悟を持って欲しいと思います。

それしか腐敗を防ぐ方法はないと思いますが、皆さんはどうお考えですか?

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