2008.2.9
食品の安全に思う



                                                                          増田 次郎


中国製の冷凍食品で農薬中毒が起こりました。中国の食品は危ないという声が世界中に広がっています。
 
私は腐った食べ物なら自分の鼻と舌で識別できると思いますが、危険な薬物、正確に言えば毒物が入ってい

るとなると、自信がありません。化学的に合成された毒物には無味無臭のものもあると思います。

私には味や臭いで識別できる自信はありません。

 
日本の食料自給率は、非常に低く40%を割っているそうです。

アメリカでトウモロコシから自動車の燃料油を生産されるようになり、大豆からトウモロコシへの転作が行

なわれ、トウモロコシや大豆の値段が急騰しているようです。

米国を始め多くの国が食料の輸入自由化を日本に迫っていましたが、風向きが変わりそうです。

食物の値段が上がるのは消費者にとって迷惑なことです。しかし私が十代後半から約10年間は、日本全体

が大変な食糧難で苦しんでいました。私は中学生時代に当時の駒沢ゴルフ場(現在の駒沢公園)を畑にするた

め芝をはがす作業に動員されたことを覚えています。私の家も庭を全部畠にして、ジャガイモ、茄子、キュ

ウリ、トマトなど、栽培の易しい野菜をつくっていました。当時は東京も空襲を受けたので、どこもかしこ

も焼け跡だらけ。その空き地で皆野菜を作っていました。


私はテレビで大食いコンテストなど、食べ物を馬鹿にする番組をやっているのを見ると、不愉快になります。

70才以上の戦後の食糧難時代を覚えておられる方々は私と同じ考えでいらっしゃると思います。


戦争中と戦後の食糧難時代には、糖尿病とか痛風とかいう病気は名前を聞いたこともありませんでした。

脳溢血になる人も珍しかったと思います。胃潰瘍も聞いたことがなかったと思います。病気と言えばほとん

どが肺結核。子供から大人まで国民全部の栄養が不足していました。 死ぬまでに一度でもよいから腹一杯

ご飯を食べたいと思っていました。
 

アフリカその他低開発地域では、今でも食料不足、栄養不足で大勢の人の生命が失われているそうです。

子供のころ、食べ物を無駄にすると罰が当たると叱られていました。食料の値段が上がるというのは辛いこ

とですが、そのために食べ物を無駄にしなくなったとすれば結構なことだと思います。また食べ物の値段が

上がれば、国内農業の再生に対する追い風になるはずです。


先日インターネットの記事の中に、「牛肉を食べなければ地球環境を改善できる」という記事が載っていま

した。食べさせた飼料の量と、動物の体重の増加の比率は

  牛           10%
  豚           25-33%
  ブロイラー       46%

と牛が最も効率が悪いと書いてありました。つまり牛は食べた餌の10%しか肉にならないということです。

豚は食べさせた餌の1/3が肉になる。鶏は半分近くが肉になるということです。牛肉が高いのはこのことから

頷けますね。私は貧乏ですから、牛肉をなるべく食べないようにします。


恐らく遠からず世界中で食料が不足する時代が来ると思います。

そうなったときのためにわが国は農業の再生を急いで、食料の自給率を上げておかなければならないと思い

ます。明日では遅すぎると思います。
                                                                            
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