2008.1.16
賞味期限切れ


                                                                               増田 次郎


食品には賞味期限が表示されています。この賞味期限はメーカーが決めるものだそうです。

賞味期限が切れたら、食べられないと言うことではないそうです。

私が若いころは出荷日の表示はありましたが、賞味期限の表示などはありませんでした。

かつて我が家の賞味期限判定係は私でした。前の晩の残り物が今朝食べてよいかどうかの判断を、匂いを嗅ぎ

少し食べて味見をし、これは食べてよいとか、腐っているから捨てようとか、味覚、嗅覚の全てを動員して判

定していました。このように一家の信頼が厚かったのは、何故かという自慢話をさせて頂きます。
 

大阪市大淀区の淀川工場に勤務していたときのことです。

労組支部の大会で昼の弁当にバッテラ寿司が出ました。このバッテラで集団中毒が発生し、大勢の組合員が

下痢、嘔吐で苦しみました。このとき私は一口食べて、これはいけないと思い吐き出しました。そして魚を

はがして、すし飯だけを食べました。 一夜明けたら社宅中大騒ぎ。「お宅の御主人は?」と聞かれ、これこ

れしかじかということになり、あの御主人しっかりしておられると大いに面目を施しました。

以後私の鼻メーター、べろメーターの精度を疑うものは我が家にいませんでした。


賞味期限を表示しておいて、期限切れになったら捨てるのがもったいないからと表示を書き換えて売るという

のはまさしく詐欺です。品質に問題が起こる心配がないなら、最初から賞味期限を長くして置くべきです。

お弁当やお総菜のの売り場では、夕方になると半額などに値引きして売っているようです。

これは昔から有った商法で当然のことだと思います。


これから世界的に食糧不足の時代が来るという話が聞かれています。現在でも世界には十分な食べ物が得られ

ない人が大勢いるそうです。食べられるものを捨てるのをもったいないと思うのは当然のことです。

特に私のような戦時中と戦後の時代を経験した者にとっては、捨てることにすごい抵抗があります。

皆で自分の味覚、嗅覚を鍛えて、貴重な食料を大切にしようではありませんか。

何でも政府に責任を持たせようとするのは、よいことだとは思えません。

失礼ですが、役所は責任を問われることが一番怖い立場にあります。

役所に任せれば、国土交通省による建設不況でわかるように、間違いなく農水省発の食品浪費が始まります。

食品の表示はメーカー出荷の日付とし、後は消費者が自分の判断で食べるか食べないかを決定してはいかがで

しょうか。

ついでに申し上げますと大豆やトウモロコシなどが世界的に値上りしているようです。

日本の農業の衰退がいわれ、食糧自給率の低下が憂慮すべき状態になっています。

世界的な食料の値上りをこの際日本農業再生への追い風とすべきだと思っています。

ピンチはチャンスだと思います。農業関係者の奮起に期待しております。

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