2007.10.13
無責任時代に殺人が大流行



                                                                             増田 次郎

流行って困るものはいろいろあります。

先日麻疹(はしか)が大流行して、小中高校だけでなく大学まで学校閉鎖が相次ぎました。インフルエンザの

流行も迷惑ですね。私も11月始めにワクチンの予防接種を受けます。

だがウイルスで感染する病気が流行するのはやむを得ないことです。人混みに出かけない、帰宅してから手

洗い、うがいをする、予防接種をするなどそれなりに対策もあります。しかし人殺しの流行はどう考えても

納得が行きません。最近の殺人事件の報道を見ていると、流行していると言いたくなります。

思いだしたものを二三挙げてみます。


嘱託殺人というのがありました。「お礼を貰って依頼者を殺して差し上げる」という商売を始めた人がいる

そうで、呆れました。その謝礼が20万円。睡眠薬を十分飲ませておいて、頭にポリ袋をかぶせて窒息死さ

せたそうです。


コンビニ店員殺人事件がありました。万引き犯人を追いかけて行き、つかまえたら犯人に胸を刺されて店員

さんが亡くなりました。本当にお気の毒です。犯人の愚かさには呆れます。万引きでつかまっても死刑や無

期懲役になることはあり得ません。万引で捕まるのが恐ろしくて、人殺しをした。何ということでしょう。


秋田県で母親が娘を殺し、その友達の男の子を殺した事件がありました。

また子供が親を殺した事件もあります。いやな話ばかりです。
 
友達をいじめて自殺に追い込んだ事件も、最近よく聞きます。これも一種の殺人事件だと思います。

オウム真理教の事件では、大勢の方がなくなりました。あの事件は聞いていると情けなくなります。

教育を受けて得た知識が人殺しに使われています。
 

福岡の追突事件。泥酔して追突して3人のかわいい子供さんを殺しています。これも立派な人殺しです。
 
山口県、光市の母子強姦殺人事件。人を殺しておいて自分が死ぬのが恐ろしいとは何事でしょう。
 
二三と思いましたが、思い出したらあっという間にこんなに出てきてしまいました。

 

それにしても何故こんなに人殺しが多いのでしょうか。原因は一体なんでしょう。

人を殺すのが最悪の罪であることは、誰でもわかっているはずです。しかしはずがはずでなくなっています。

どうすればこのような流行をストップさせられるのか、皆がもっと考えなければならないと思います。
 

私は「言論の自由、表現の自由を保護せよ」と声高に主張する人たちを疑問に思っています。

自由といえば水戸光圀公の葵のご紋の入った印籠のように、問答無用で通ってしまう風潮には反対です。

戦争中お国のためだという一言で何でも片づいたのと同じではありませんか。言論の自由、表現の自由に反対

するつもりはありません。ただそこに自己規制がなければなりません。「何でもあり」には賛成できません。

図書、映画、テレビ番組、ゲーム、全て自己規制があって然るべきです。もちろん官僚が規制に関わるのには

反対です。しかし当事者はしっかり自己規制をして頂きたい。

戦争中の「お国のため」も全部間違いだとは思っていません。自分の国を守ることは大切なことです。

行き過ぎたから、問答無用で自分に都合の悪いことを全部非国民で片づけたから悪いのです。

本当はあのとき取り締まった人たちこそが、非国民だったのです。

言論にも表現にも全て責任があるはずです。社会の無責任な風潮が今の社会不安の原因になっていると思い

ます。自分さえよければよいという風潮だけはストップしなければいけません。


倫理教育に反対する人がいます。愛国心に反対する人もいます。しかし「責任感を持って行動せよ」と教え

ることに反対する人はいないでしょう。
 
老人は本当に心配しています。

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