2007.10.4
世界の問題点、民主主義の限界
増田 次郎
日本でも選挙の時、圧力団体の存在が噂されることがあります。
しかし米国の場合、日本とは比較にならないような巨大な圧力団体があるようです。
アメリカの場合、憲法によって国民に銃を所持する権利が与えられているそうです。このため、銃による犯罪
がたびたび起こっているようです。かつてどこかの大學で銃の乱射事件が起こり、多数の学生が殺されたとい
う悲劇が伝えられました。この結果銃の所持を規制しようという声が起こりますと、必ずこの団体が活動して
「憲法改正反対」を唱え、議員に対する献金などで規制法成立を阻止してきたそうです。
また日系下院議員が中心になって、「日本軍の慰安婦強制連行」や、「南京虐殺事件」を非難する決議が下院
で成立したことがありましたが、これも中国人を中心とする反日団体の活動が噂されています。
米国は口では日本を世界で最も重要な同盟国だといいながら、日本人の、それも最も親米的な人々の神経を逆
なでする。 米国のメディアにも反日一辺倒の新聞社がある。もっとも日本にも反日を社是?とする新聞社があ
りますから、よその国のことは言えませんね。
地球温暖化防止運動にも、米国では石油業界を中心とする圧力団体の動きが噂されています。
「地球温暖化は単なる周期的気候変動である。二酸化炭素などいわゆる地球温暖化ガスの発生とは無関係である」
と唱える学者を援助し、必死になって具体的規制の成立を阻止しようとしているそうです。
民主主義も決して万能ではありません。圧力団体の存在によって、政治の方向が特定の人々の利益になるよう曲
げられる恐れはあります。
話を元に戻して、米国は現在も世界最大の軍事力を持っています。
ですからこの軍事力を背景にすれば、大概のことは通せます。しかしその軍事力に対する過信があだになり、
かつてはベトナム、現在はイラクで大変な泥沼に陥りました。
確か日本でも日露戦争の後、海軍の偉い人が「この一戦」という著書の冒頭に「兵は凶器なり」という名言
を残しています。 これは孫子の兵法のことば「兵は凶器なり。争いは逆徳(ぎゃくとく)なり」が元になっ
た言葉のようです。
確かに「兵は凶器」です。しかも下手をすればこれが指導者の狂気を呼び起こします。
かつての大日本帝国首脳の一部には、力こそ正義という考えをもった人たちがいました。
北朝鮮の金正日、イランのアフマディネジャド、故人になりましたがイラクのサダム・フセインなどは狂気に
とりつかれた人たちでしょう。米国のブッシュ大統領も、後世このそしりを受けるかも知れません。それはロ
シアのプーチン大統領、中国の軍最高幹部も同じだと思います。
そして銃はもちろん凶器です。
凶器を狂気の人が持つと、昔からいう悪い言葉ですが「気違いに刃物」になります。
日本では銃の所持が禁止されているのに、やくざの銃による犯罪がなくなる気配がありません。
やくざのヒットマンは狂気にとりつかれた人ではないかと思います。
ミャンマーでも軍政による民衆弾圧が続いています。日本人のフリー・カメラマンも犠牲になりました。
これも軍政指導者の狂気のなせるわざと言えそうです。
残念ながら世界はどんどん悪い方向に向かっているような気がします。
これを食い止めるためにわれわれはどうすればよいのでしょう。
せめて目の前の省エネルギー、省資源に努めること。そして若い人たちに戦争の醜さ、逆徳であることを伝え
るぐらいのことしかできないのが、残念です。
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