2007.4.9
よくわからない歌
 


                                                                           増田 次郎


私のうろ覚えの歌の中に、訳のわからない歌があります。由来も何も私にはわかりませんが、一応ここに書い

ておこうと思います。由来などおわかりの方がありましたらご教示頂けると有り難いと存じます。


一つは私が母から聞いた歌です。私の母は明治34年生まれでしたから、生きていれば106才。

母の出身地である山口県、豊浦郡、勝山町(現在は下関市勝山区一宮東町)で歌われていた童歌ではなかったか

と思います。


「--------猿が三匹おったとさ。前の猿は物知らず。後ろの猿も物知らず。

     いっちの中のこん猿は、よう物知って。日本国中回って。

     鰯を三匹拾って。煮て喰うても塩辛い。 焼いて喰うても塩辛い。あんまり塩が辛うて。

     水を三杯飲んだなら。あんまり腹が太うて。鐘突き堂に飛び乗って。鐘をゴーンと突いたらば。
     
     鐘突き堂が崩れて。和尚さん泣きやる。小僧さん笑やる。泣きやんな、笑やんな。

     明日の市に行って。材木買うて建てて進ぜましょう」

お寺さんに大変失礼な、変な歌です。筋が一応あるような感じですが。どういうときに歌ったものでしょうか。

母の年齢から考えて明治初年に歌われていた歌ではないかと思いますが、母も亡くなっていますし、確かめよ

うがありません。



次は50年近く前に私の長男が近所の子供と遊んでいて、覚えてきた歌です。

     「下駄かくししゅうれん坊。橋の下のネズミは。草履をくわえてチュッチュクチュ。
 
      チュッチュクチュ饅頭は誰が食うた。誰も喰わないワシが食うた。表の看板三味線屋。

      ピンピンピンよう鳴るな。門曲がって三軒目。一、二の三」

そのころ私は大阪の淀川工場に勤務していて、吹田市の千里山社宅に住んでいました。

千里山社宅は新築されたばかりで、私の家族は西宮の甲子園社宅から移ってきましたが、近所には尼崎社宅

から移ってきた人もいました。そのことから考えてこれは関西の方の歌ではないかと思いますが、よくわかり

ません。


私が子供の頃下駄をぽんと蹴って飛ばし、裏返しになったら雨、表になったら晴れという天気占いが、子供の

遊びにありました。歌の文句からして、この天気占いの囃子詞ではないかと思います。

私が長年勤務していた岐阜県中津川市にも、面白い歌があったのではないかと思いますが残念ながら聞いた覚

えがありません。もっと聞いておけばよかったなと思っています。

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