2006.11.7
秋が来た、どこに来た
増田 次郎
秋来ぬと目にはさやかに見えねども、風の音にぞおどろかれぬる。
と驚くような柄ではありませんが、本当に涼しくなりました。
秋の日はつるべ落とし。5時半には真っ暗になります。
北海道は稚内の沼に、早くもシベリアから白鳥が渡ってきているそうです。
練馬は東京23区の中では一番北にあります。
夏は都心より大体2℃くらい温度が高く、汗だらけになり暑さを呪っていましたが、冬は逆に温度が低いよ
うに思います。今は一番季節のよい時期で、暑からず寒からず、本当に過ごしやすい時候です。
土支田は練馬区の中でも農地の多いところで、里芋とキャベツの葉が青々と茂っています。
実りの秋、食欲の秋。練馬はよいところだとつくづく思います。
ところで練馬の嬉しいところを一つ申し上げます。それは歩道を走る自転車のエチケットの良さです。
私が前に住んでいた世田谷区の深沢付近は、住宅地として比較的高級と信じられていました。
多分今もそうでしょう。ところがこの深沢あたりでは、歩道をひょろひょろ歩いていると、後ろから来た
自転車がチリンチリンとベルで歩行者を追い払って(と感じました)無言で追い抜いて行っていました。
それが大半は中年のご婦人でした。
「なんだ、このオバタリアンめ。日本語がしゃべれないのか。済みません、通して下さいぐらい言っても罰
は当たるめー」と内心思いました。私も当時三輪の自転車に乗って歩道を走っていましたが、必ず前を歩い
ている方に「済みません。通して下さい」と声をかけました。
嬉しいことに皆さん「あら気がつかなくて失礼しました」と返事をして道を譲って下さいました。
もちろん譲ってもらえば当然「有り難うございます」とお礼を言って通り過ぎていました。
ところでここ練馬では、嬉しいことに追い抜く方がわざわざ自転車を降りて「ご免なさい」と一声かけて行
かれるのです。こちらも当然「どうぞ」と返事します。
狭い道路も譲り合えば広くなるというのはこのことです。練馬人は誠に紳士的です。
私の本籍地である世田谷区を悪し様に言う気はありませんが、これは練馬人に軍配を挙げざるを得ません。
同じ日本人が同じ東京に住んでいて、どうしてこうなるのでしょう。
土支田には本屋がありません。
本を買うときは光が丘まで行かなければなりません。NHKラジオのテキストさえここでは買えないのです。
文化果つるところと言ったら土地の方に叱られるでしょうが、自転車の交通マナーはりっぱなものです。
ただ残念なことは高校生諸君は男女とも猛スピードで私のそばすれすれを黙ってすり抜けて行きます。
教育制度が見直されようとしていますが、是非この中で公衆の面前でのマナー教育(もちろん電車の中での
お化粧、飲食も含めて)を進めて頂きたいものです。
我々老人もこういう教育のお手伝いをさせて頂いたらどうかと思います。
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