2006.6.5
小沢さん。あなたを頼りにして大丈夫ですか
増田 次郎
民主党の小沢新代表が大活躍をしておられます。
郵政民営化解散での大敗北、偽メール事件の連続ミスで、あわや土俵を割る瀬戸際にあった民主党が千葉
補欠選挙で勝ち、今や来年の参議院選挙で自公を過半数割れに追い込み民主党政権を樹立しようかという
勢いに挽回したのは、まさしく小沢さんの豪腕を証明するものでしょう。
しかし私は果たして小沢さんに日本の将来を任せてよいのか心配でなりません。
その理由をここに書かせて頂き、読者の皆様のご批判を受けたいと思います。
小沢さんはもともと竹下派の大立者で、時の金丸副総裁の一の子分でした。
ご記憶だと思いますが、金丸さんは金の延べ棒で資産を隠したと非難され、石で追われるように政界を去
られました。
親分は失脚されましたが、小沢さんは自民党に残り党の重鎮として活躍しておられたと思います。
その後新進党結成の立役者になられ、細川さんの日本新党や社会党など多くの政党を糾合して、自民党を
政権から追い落としました。
その後は政界の惑星として、新しい政党を作っては壊し持ち前の豪腕ぶりを発揮して来られました。
この方の豪腕は全て政局がらみで発揮されてきました。今度の千葉補欠選挙でも、支援団体回りをする自民
党型そのものの手法で自民党に一泡吹かせたという印象を受けています。
小泉さんも随分欠点の多い人だと思います。
しかし小泉劇場という批判はありましたが、いわゆる圧力団体、○○族議員、自民党のもろもろの派閥と
対立してこれらを無力化したのは、大きな功績だったと思います。
郵政民営化をテーマに自民党から古い体質の人たちをかなりふるい落としました。
中には惜しい人、気の毒な人もいたでしょうが、総体的に見て体質改善には成功したと思っています。
小沢さんは選挙に勝つために、自民党からふるい落とされた方(旧体制を守りたい人たちといっては言い
過ぎでしょうか)を味方につけようと思っておられるようです。
日本医師会、特定郵便局長会、日教組などなど、かつての自民党・社会党の支持基盤を掘り起こして、
とにかく政権を奪い取ろうと思っておられるのではありませんか。
それで日本がよくなるとは私には思えません。
小泉改革が全面的に成功したとは思っておりません。中には改悪もあったかも知れません。
しかし役人の数を減らすとか、役人の権限を減らすとかは、将来の日本のために必要不可欠なことだと思
います。天下り先の確保を最大の仕事と考えておられる人たちが、税金を食い物にしておられるのは非常
に残念です。失敗は失敗、功績は功績として認めて上げないと不公平だと思います。
私もかつて小沢さんの豪腕に期待していたことがあります。
たとえば外交などであの豪腕をふるわれたら、大いに国益を増進するのではないかと思っていました。
しかし小沢さんはいつも表舞台には立たず、舞台裏から役者を操る役割に徹してこられました。
人間は変わるとおっしゃっておられますが、本当に変わられるのですか。
自民党政治に不満な方たちを糾合して、手段を選ばず政権を奪い取ることが唯一の目的だとしたら困ります。
政権を取るのはあくまで手段のはずです。
その先に国家の平和と安定、国民生活の向上がなければなりません。しかしそれが私には見えないのです。
中韓両国政府の理不尽な要求に対し今までのような事なかれで丸く収めることばかり考えていては、日本
は亡国の道を歩むことになるでしょう。
小沢さんが豪腕でこれにどう立ち向かってゆかれるのか、知りたいのです。
霞ヶ関のお役人たちをどうやって変えて行くつもりなのか、聞かせて頂きたいのです。
小沢さんが政権を取ったらどういう政治をするつもりか、もっとはっきりさせて下さい。
小沢劇場大いに結構です。まさか今までのように適当な世間受けのよい、しかし実は頼りない方を担いで
総理大臣にし(御神輿は軽いほど担ぐのが楽だという悪口がありました)、自分は陰から操るのではあり
ませんか。これまでのように政党を作っては壊しでは困ります。
政権を奪取するところまでが自分の仕事で、後は他人事みたいな顔をされるのは勘弁して欲しいと思います。
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