2006.4.27
引っ越し疲れ、されど難関は突破




                                                                           増田 次郎


正直のところ引っ越しがこれほど疲れるものとは、思っていませんでした。

クロネコヤマトの引越センターに頼んで「らくらくパック」とかいう、何もかもやってくれるタイプで

引っ越したのですが、それでも疲れました。

有り難いことに高齢の親父を心配して、子供達が応援に来てくれました。

事前に「大丈夫か」といわれ、「大丈夫だ」と強がりましたが、正直のところ来てくれて助かりました。

介護用ベッドは購入したライムさん(世田谷の福祉用具ショップ。長年の友人でもある)から原田さんと

鈴木さんのお二方にご足労頂いて分解・組み立てをお願いしたので、室内は足の踏み場もない状況でした

が引っ越し当夜から馴れたベッドで安眠することができたのは幸せなことでした。
 


翌日から区役所の転入手続き、巣鴨信用金庫の口座開設、年金の住居変更手続きなどなど、引っ越しから

2週間経つのにまだ手続きの全部は終わっていません。
 
移転後に一番こたえたのは、通信途絶でした。NTTさんが移転を機にこれまでのダイアル回線からプッ

シュホン回線に切り替えて下さったのですが、マニュアルを紛失していて(後で紛失に気がつくあほさ加減)

電話機の回線設定を変更できなかったのです。

このため先方からかかっては来るのですが、こちらから電話することが不可能で、これには全く参りました。

たまたま私のことを心配されて、引っ越しの翌朝岩城祐子先生が電話して下さいました。

事情を申し上げて、先生から電話機メーカーのキャノンさんのサービスセンターに連絡して頂きました。

サービス担当者から電話で親切に指導して頂き、首尾よく電話がつながりました。現代人にとって、電話

がないことは空気濃度が下がったようなもので、もうちょっとで窒息死するところでした。



インターネットの不通にも参りました。

移転から14日間かかるとプロバイダーにいわれ、仕方なく商売の翻訳はフロッピーディスクに入れて、

マンションのオーナー、岩城隆昌先生を煩わせてクライアントに送信して頂きました。

先生のお陰で商売の方はどうやら乗り切ることができましたが、インターネット経由の交友関係は全部ス

トップしました。もちろん「やっとこさっとこ」にもご無沙汰することになり、これが新しいメールアド

レスでの最初の寄稿です。開通したのは4月24日ですが、不通の間に溜まったメールは約300通。

もちろんその90%はいわゆる十八禁の不純メールで消去するのに一苦労でした。新しいメールアドレス

には、ジャンクメールが来ないので助かっています。しかしEメールのない生活というのは電話不通に劣

らぬ苦痛でした。お陰でEメールの有り難さを痛感した次第です。



高齢者が引っ越しをすると環境変化でおかしくなることが多い。「老木を移植すると枯れる」ようなもの

だと申します。私も疲れましたが、新しい住まいは誠に快適。首尾よく老木は新しい山で根を張り、周囲

を睥睨しながら相変わらず愉快な時を過ごし始めています。

「お前は閻魔さんに嫌われているから、地獄にも入れてもらえないよ。もちろん天国に入れてもらえるわ

けがないから、死にたくても死ねないね」といつも冷やかされています。

私もどうやらそうらしいと思っています。


部屋が広くなったので、住み心地は上々です。

近所に商店や飲食店がたくさんあり、買い物や外食にも便利です。東側の隣が広い駐車場で、その向こう

に駐車場のオーナーさんの邸宅があり、日当たりも眺めもきわめて良好です。

交通は目の前がバス停で、意外に便利です。

地獄から歓迎されないので、暫くこちらで愉快に過ごすつもりです。

相変わらずの下らない雑文をお読み頂ければ幸いです。
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