2006.4.15
税金の無駄づかい



                                                                     増田 次郎


私は老人で昔ほどには税金を納めていません。

翻訳料から差し引かれた源泉徴収は、確定申告で全部還付してもらえます。

私が納めている税金は、消費税、株の配当金と売却益にかかる所得税、固定資産税くらいなもので、

税金の無駄づかいを非難する資格はあまりないのですが、傍観していられない気分で書かせて頂きます。


お役人が無駄づかいをしておられることは、会計検査院の検査や公取委の調査などで次々に明るみに出て

います。代議士先生が議会の予算委員会で肝心の予算審議をほったらかしにして、下らない揚げ足とりを

やりガセネタだと言うことがはっきりして国民を呆れさせました。

これらについては大勢の方が非難しておられるのでここでは省略します。

書かないからといって、あいつは平気らしいと思われると口惜しいので、省略しただけだということをお

断りしておきます。



さて税金の無駄づかいで一番腹が立つのは、オウム事件の裁判費用です。

オウム真理教教祖の麻原こと松本智津夫の国選弁護人に国が支払った弁護費用は4億5,000万円に達し

たと聞いています。弁護士に払った費用だけでこんなにかかっているのですから、警察の捜査費用、検察

官が立証・告発するために費やした費用、裁判費用まで入れたら一体幾ら国費が費やされたのでしょう。

しかも裁判が長引いたのは弁護人の引き延ばし戦術が功を奏したものだといわれています。

こんな男の裁判の費用に、莫大な国費が投じられている。ばかばかしい。そんなお金をかけるなら、サリン

の後遺症に苦しんでいる人の慰謝料に払って上げたいものだと思います。

弁護士さんの中には、自分の懐に入るお金が多ければよい。悪を助け善をくじく欺侠心をお持ちの方が大勢

おられるようです。こういう弁護士さんに何か制裁を加える方法がないものでしょうか。



次に腹が立っているのは沖縄県の普天間基地移設問題です。

移設先候補だった沖縄県名護市と防衛庁の折衝がV字型滑走路をつくるという案を名護市長さんが受け入れ、

本当によかったなと思います。ところが沖縄県知事が「市の判断は尊重するが、県のスタンスは変わらない」

といったと聞いています。国の防衛は政府の仕事と言うことは県知事さんもわかっておられるそうですが、

ご自分の体面上自分の頭越しで防衛庁と名護市で妥協したことに立腹されたのでしょうか。

体面だとか立場の問題でごたごたしていると、これまた税金の無駄づかいになります。

知事さんや県の職員が上京してホテルに宿泊していれば、手当も出るでしょうし交通費、宿泊費もかかるで

しょう。守る側の防衛庁長官以下も全員国費で丸抱えされている人たちです。軍艦マーチではありませんが

「守るも攻めるも税金の、お金がぼろぼろ落ちこぼれ、あほらしいのは納税者」です。


トヨタ自動車のコストダウンの話など、この方々には関係のないことなのでしょうね。

「私使う人、あなた納める人」 選挙で当選しさえすれば、それで生活安泰。

結構なご身分です。


こうやってみると税金の無駄づかいは莫大な金額ですね。

とても私などには書き切れません。消費税を上げる前に先ず無駄づかいを徹底的に洗い出して下さい。
 

中部国際空港はトヨタ出身の社長さんが指揮して建設費が随分安く上がったそうです。

各官庁の偉い人に退官して頂き、代わりの人を民間から迎えてはどうでしょう。

同じやめて頂くなら失礼だがペーペーの方より高位高官の高給取りからおやめ頂く方がずっと経費の節減

効果は大きいはずですよ。公務員の人員削減に反対を唱えておられる役所の方々に、レッドカードを差し上

げたいと思うのはおかしいでしょうか。


予算を余らせたら来年から予算を減らされるから、何が何でも年度内に使い切る。

そういうことをしていて税金を上げようというのは、

水戸のご老公なら「助さん、格さん。ちょっと懲らしめて上げなさい」と言うところでしょう。

われわれ国民は口惜しいばかりです。
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