2005.11.10
政治家について思うこと



                                                                                                                                       増田 次郎


政治家のことを英語で何というのだろうと思って、和英辞典を引いてみたら次のような言葉が出てきました。

ステーツマンというのが最も上品な言葉のようです。

天下国家のことを考え、行動する人ということなのでしょうね。

次に出てきたのがポリティシャンで、この言葉には「時として悪い意味で」と注釈がありました。

面白いのは「ベビー・キッサー」。

人気とりで赤ん坊にキッスしてお愛想を振りまく人ということです。

またフレッシュ・プレッサー、パーム・プレッサーという言葉も出てきました。

フレッシュは「新鮮な」ではなく「肉体の」で、パームは手のひらです。

プレッサーは押しつける人です。

従って選挙の時有権者を抱きしめて親愛感を示す人がフレッシュ・プレッサー、やたら握手をする人が

パーム・プレッサーです。日本では外国のように他人様の面前で男同士が抱き合って頬ずりする習慣がないから

フレッシュ・プレッサーは存在しません。(なくてよかった。気持ち悪い) 

しかしパーム・プレッサーは選挙の度に登場しています。

一日で何人と握手できるかが当落の決め手になるようですね。

 


日本語で政治に携わる人を呼ぶ言葉は「政治家」と「政治屋」ぐらいしかないようです。

政治屋というと政治を職業(飯の種)にしている人という感じで、これがポリティシャンに相当する言葉で

しょうか。言葉はどうでもよいのですが、困るのは眼中自分の選挙しかない人、国の将来に関心のない人です。


昔三木武吉さんという政治家がいました。

「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙で落ちたらただの人になる」と、この人がいったというのを

どこかで聞いたような気がします。

選挙に落ちて失業者にならないためには、

地元のために利権を持ってきて当選するための票を集めなければなりません。

そのため役人に圧力をかけ(当然ギブアンドテークが前提でしょう)自分の選挙区に補助金を出させる。

必要であろうとなかろうと土建工事に資金をつぎ込ませ、地元を潤わせる。

今日の国の借金はその繰り返しでできたのではありませんか。



かつて日本の首相を務めた田中角栄さんは、大変な実行力の持ち主で「コンピューター付きブルドーザー」

といわれました。この方の生涯は、功罪が相半ば(罪の方が優勢かも知れません)しているように思えます。

罪の方はいうまでもなく利益誘導型の政治を全国に行き渡らせたことでしょう。



その結果政府の借金(国債発行残高)は天文学的な数字になっています。

インターネットで調べてみたけれど何百兆か、飛んでもない数字です。

この借金を清算するためには税金を増やすしかなさそうですから、私の息子や孫は大変です。

これを読んで下さる皆様も私より若い方が多いでしょうから、将来が不安だとお考えになっていると思います。



しかし私はこの国はよい国だと思っています。

お隣の中国、韓国、北朝鮮は日本を軍国主義国家だと罵ることによって自国の国民をまとめようとしています。

しかし日本はおよそ軍国主義に遠い国です。

お隣の諸国に比較すれば、民主的な政治体制があり、汚職も少なく、比較的清潔な政治が行われている国だと

思っています。

政治家が利益誘導型の政治屋であることをやめ、役人も含め国益本位で行動するようになればもっともっと

よい国になるはずです。
10年後、20年後の私の孫の代には、素晴らしい国になるものと確信しています。

共産党や社民党には全く期待していませんが、自民党、民主党、公明党の皆さんには政治屋ではなく政治家

としての活動を大いに期待しています。                                             目次へ