2005.11.1
また歌の文句に残りました



                                                                    増田 次郎

ようやく秋が来ました。ただし来たのは秋の長雨です。

二三日秋晴れが続いたと思ったら、また雨です。

すがすがしい秋の空が来るのには、一体いつまで待たなければならないのでしょうか。

ところで私のニート談義も長雨のように鬱陶しいとお思いでしょうが、ご勘弁願い暫くお付き合い下さい。



1022日の夜、NHKの総合テレビで、日本の、これから「知っていますか?若者たちのこと」という放送

がありました。ロッテ・阪神の日本シリーズを割愛して、こちらを見ました。

(阪神ファンの私が途中で見るのを止めたため、阪神が惨敗しました。

阪神ファンの皆さん申し訳ありません。関係ないか)

出席者(出演者)の服装や話しぶりを見て、NHKの「やらせ」もあるでしょうが「近頃の若者」という

ような先入観、固定観念を持つと間違うなと思ったので、またまた蛇足を付け加えさせて頂きます。



私が感じたことの第一は、奇妙なメークアップ(ああいうのをガングロというのでしょうか)、服装を見て、

そのことだけで個人を判断すると間違うなということでした。

私が子供のころ旧制高校の学生を街でよく見かけました。

朴歯(ほおば)の下駄、よれよれのマント、ぼろぼろの学生帽、腰に煮染めたような日本手ぬぐい。

弊衣破帽という言葉がありましたが、まさにそれでした。

当時はこれが一種のファッションだったのです。ガングロも彼女らなりのファッションの一種なのでしょう。



一番驚いたのは、若者の中で「ニート対策だなどといって、若者を甘やかすな」と公言する人がいたことです。

中にはいい加減な人もいたように思いますが、それなりに説得力のある議論をする人もいました。

ニートといっても、その背景は地域によっても、環境によってもいろいろで、本当にいろいろな人がいるの

だということを痛感させられました。



ただこの番組で一番不愉快だったのは、

「泉谷しげる」というミュージシャン(と司会者が紹介していました)でした。

「てめえら」とか、相手の人格を無視した聞くに堪えない柄の悪い話しぶり。

額が禿げ上がっており、年の頃
60才ぐらいにはなっていると思いますが

「いい年してものの言い方も知らないのか」といいたくなりました。

ああいう場に出てくる以上多少の礼儀をわきまえていて貰いたいものだと思います。

他人の発言が自分の意見と違うと、すぐ食ってかかる。脅迫するようなものの言い方。あんな男を何故NHK

は多額の日当(本人はどう思っているか知りませんが)を払って呼んだのだろうと思います。



人間は一人一人皆違っています。

同じ人はこの世に一人もいません。そんなことはわかっていたつもりでしたが、あの晩あらためてそのことを

痛感しました。この前ここに書かせてもらったのは一般論で、それ以上のものではありません。

ただ私は一人一人の人が、自分の人生に責任を持てるのは自分だけなのだ。

政治家が悪い、社会が悪い、あるいは親が悪いといって、他人のせいにしたところで、最後は自分以外には

責任を持てる人間がいないことを認識しなければならないのです。

そのことだけは、全ての人に通用すると思います。


ニートやフリーターの立場にいる人に申し上げたいと思います。

あなたの人生はあなたのものです。

ただしあなたは毎日食事をとり、衣服を着て、屋根の下で布団を掛けて寝ています。

夜になれば電灯がつく、外出すれば電車やバスに乗る。

毎日の生活は、全て社会の誰かがサービスを提供してくれるから成り立っています。

私の知らない場所で働いて下さっている方に、感謝することを忘れてはいけないと思っています。

その素朴な気持ちを失うことさえなければ、他人を傷つけたりすることにはならないでしょう。

私もときどきそのような気持ちを忘れていないかと、自らを戒めているつもりです。



お説教臭くて失礼しました。

だが年をとってくれば「オレはどのくらいのモンだ」と思うようになります。

学歴などはどうでもよいのですが、ぜひ能力だけは身につけて下さい。

これがないと年をとってから不幸になります。


私もまだ「若者」のつもりでいます。

余命が
5年か10年しかないだけです。

何とか社会の不良資産にならないよう、最後まで頑張るつもりです。

私より若い皆様のご健闘を心から祈ります。
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