2005.9.1
「やっさもっさ」の交友録
片岡嶋之亟さんを介してのお付き合い



                                                                                                     増田 次郎

 

年をとるとあの世に引っ越す友人が出たりして、段々交友範囲が狭くなります。

私の最近の交遊関係で最も愉快なお仲間は、歌舞伎俳優片岡嶋之亟さんを介して

お付き合いが始まった皆様です。



シルバーヴィラ向山と片岡嶋之亟さんとの関係については、読者の皆さんはご存じの

ことと思います。私が入居した四年前、嶋之亟さんの公演が当ヴィラで行われました。

人見知りをしないことでは人後に落ちない私のこと、誰とでも仲良くなる特性が生き

太田公士さんとたちまちお友だちになってしまいました。

畏友島健二さんは、理由がわからないけれど人見知りをする方ですが、私のペースに

巻き込まれ三人の面白おかしいお付き合いが始まりました。

そして私も嶋之亟さんの後援会、

ご存じ墨染会に加わらざるを得ない形になり会員になりました。



太田公士さんは体躯長大、声量抜群で、しかも心の優しい方で島さんも私も心から敬服

しています。島さんは体調不良のとき太田さんと一杯やるとたちまち全快するそうです。

お忙しい中で嶋之亟さんの追っかけをされるし、会社のお仕事はいつなさっているのだ

ろうと老人は詰まらない心配をしています。


私が島さんの後ろに隠れながら(?)初めて出席した墨染会の会合で、原慶子さんに

お目にかかりました。これが当シリーズ「筆に覚えあり」誕生のきっかけであります。

先日原さんご夫妻とコンパを行った折り、「筆に覚えあり」誕生から三年が経過したと

伺い、月日の経つのは速いものと島さんともども感心させられました。

愛読して下さる方が多いそうで、筆者の一人として大変光栄に存じております。

皆様に私の駄文を読んで頂けるようにきっかけは、墨染会の会合に始まった慶子さんと

の交遊のお陰であります。


読者の皆様のお声を慶子さんからときどき聞かせて頂いています。

面白いというご感想を聞かせて頂き、ただただ有り難いと存じています。

皆様が私の何の役にも立たない無駄話を読んで頂くことが、私の健康維持、殊に頭脳の

健康維持に大いに役立っています。

詰まらないからもう載せないと慶子さんから引導を渡されるまで、寄稿を続けたいと

思っています。

両人の認知症予防のため、ご愛読を隅から隅までズーイとお願いする次第です。

 

交友関係の全てのスタートは島さんであります。

島さんと私は三つ違いで島さんが人生の大先輩です。ところが私は8月20日生まれ、

島さんは9月15日生まれ、従って現時点では二つ違いであり、島さんは私に

「喜寿になっておめでとう。年が二つ違いになった」とからかわれます。

私も負けているような男ではなく、

「9月15日になったら、島さんのお部屋の前で傘寿到達おめでとうございます。

島さんは80台、私は70台。えらい違いでおそばに寄ることもできませんと口上を

述べて万歳三唱します」と申し上げています。

面白おかしくの最たるものは島さんとのお付き合いかも知れません。



二人ともまだ当分は死にそうもありません。

ときどき島さんに

「歩かないと足がダメになって、寝たきりになりますよ」と脅迫しています。


ここでご紹介した皆さんはいずれ劣らぬ酒豪揃いです。

島さんは毎週一回私の部屋にお出でになり酒を酌み交わしておられますが、私が弱くて

たちまち酔っぱらって眠たがるので8時過ぎには早々に引き上げられます。

別れ際には「早く寝てくれ。起きて歩いたりされると、ひっくり返るのではないかと

心配で飲み直していられない」といたわりのお言葉を賜っています。


太田さんと原さんのご主人(慶子さんはお酒を飲まれません。念のため)も焼酎党と

ビール党の違いはありますが、私とは桁違いの酒豪で、割り勘で呑んだらとても元が

取れない人たちです。

島さんも含め三人とも健康に留意して頂きたいもので「飲み過ぎにはご用心」と申し

上げたいと思っています。

以上「やっとこさっとこ」がらみの「やっさもっさ」交友録でした。      目次へ