2005.8.12
変人を支持する弁


                                                               増田 次郎

今変人というと、誰もが小泉純一郎首相を頭に思い浮かべるのではないでしょうか。

変人という言葉からは余りよいイメージは浮かびません。

しかし人間は一人一人独特な個性を持っています。

誰もが程度の差こそあれ、変人であることは間違いありません。



政界では小泉さんの人気は余りよくないようです。

私も個人的な好みからいえば、

ヘアースタイルも含め決して好きなタイプの人ではありません。

しかし好き嫌いは別にして、周囲でどう思おうと構わず己の信念に向けて猪突猛進

する姿勢には共感するところがあります。

 


国家でも会社組織でも、リーダーに向いた人は人柄のよい好人物ではなさそうです。

たとえば日産自動車を再建したカルロス・ゴーンさんは、決して温厚なだけの人では

なさそうです。苦況に立った組織を立て直すのに、波風を立てず全ての関係者が喜ぶ

ようなやり方はありません。

 


カネボウの前経営陣は何とか会社の表面を繕って、名門の伝統を守りたいと思われた

ようです。しかし結果としてはカネボウの看板に泥を塗ってしまうことになりました。

経営陣は今粉飾決算の責任を問われています。

会社のためと思われたのでしょうが、最悪の結果を招いてしまいました。

また三菱自動車工業も技術的な問題点隠しがうまく行くと思われたのでしょうが、

今や会社の存続すら危ぶまれています。

どの組織も、事なかれで行こう、誰にも傷を付けたくないという姿勢が、経営の基盤を

危うくしているといわれても仕方がないでしょう。

NHKも、官に近い体質が公私の別を厳しくしない風土をつくり、今日の料金不払いを

招いた原因ではないでしょうか。

わが国は現在非常な苦況に立たされています。

国の財政赤字は大変な金額に達しています。

それを解決するのに税金を上げるというのは、飛んでもないことです。

税金を上げる前に官の徹底的な合理化を行うべきなのに、ほおかむりをして行こうと

いうのは間違いです。社会保障も年金制度が信用を失ってガタガタになっています。

今のままで国が存続して行けるのか、大変心配です。

国民が皆自分のことだけ考えて問題を先送りしていると、結局国が破綻し将来がなく

なるのではないかと思います。

しかしもっと心配なのは、国の政治を動かしている政治家や官僚の人たちが己の保身

を図るだけで、目先のことしか考えていない(ように見えます)ことです。

 

私は乱暴な男ですから、政府の仕事を出来るだけ民営化したいものだと思っています。

外務省の在外公館は総合商社に入札させ、米国大使館は○○商事、

ロシア大使館は××物産、中国大使館は××通商に請け負わせるということにしては

どうかと思っています。

在留邦人へのサービスなど、随分よくなるのではないでしょうか。

また情報収集なども外務官僚より商社マンの方に軍配が上がるのではないかと思います。




もちろん在外公館の運営を請負にしろ、入札で決めろなどというのは暴論です。

しかし民営化に聖域はないこと、そして官の仕事は全て税金で賄われているのですから

国益にどのようにつながるかどうかで評価すべきであることを全ての政治家、官僚に

自覚してもらいたいものです。

国会は国民の負担を軽くすると同時に国民が安心して暮らせるよう、立法を国民から請け

負っているのではないでしょうか。

自分の当選しか考えない人はいなくなって欲しいものです。

参議院は国民のために本当に必要なのか、

参議院があることのメリットとデメリットを真剣に考えたいと思います。

 

道路公団の醜態を見ても、日本の官は制度疲労が進んでいて、とても安心して見ていら

れる状態ではありません。官から民への移行は避けられない趨勢です。

郵政の民営化に手をつけた以上途中でやめるのは危険だと思います。

私がこれまでに選挙で棄権したのは手術で入院したときだけでしたが、

今度は特に大切な選挙だと思っています。

幸い今度は健康状態が悪くないので、己の信念に忠実に、日本の改革にブレーキがかか

らないように投票に行くつもりです。

ユーモアのかけらもない文章でどうも済みません。
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