2005.1.13
満州のこと(独立守備隊の軍歌)
自分の生まれた土地には誰しも関心があります。
私ももちろんそうで、満鉄や安東県をインターネットで検索して調べ直してみました。
その結果いろいろ思い出したことがありますので、それを少し書き足して置こうと思います。
当時(南満州鉄道)独立守備隊という日本の軍隊が満州の各地に駐屯していました。
匪賊が出たという話があると、安東でも背後の山の兵舎から完全武装した兵士が市内に現れ、
辻辻に立って治安維持に当たりました。
小学生は何事もなくこの兵隊さんを横目で見ながら学校に通いました。
私が満州にいたのは昭和12年の春まででしたから、いつまでこの独立守備隊という組織
があったのかは知りませんが、最終的には関東軍に吸収されたのではなかったかと思います。
この独立守備隊には軍歌があり、満州ではよく歌われていました。
インターネットで調べて初めてわかったのですが、
この歌は詩人土井晩翠(荒城の月の作詞で有名な詩人)が作詞し、
中川東男(私はどういう方か知りません)が作曲したものです。
私の聞き覚えている歌詞はインターネットの
http://www.biwa.ne.jp/~kebuta/MIDI/MIDI-htm/DokuritsuShubiTai_no_Uta.htm
に載っている歌詞と少し違っているし、このサイトでは四番以下が欠落しているので、
うろ覚えの歌詞を書いてみます。
<一番>
ああ満州の大平野。アジア大陸、東より。始まるところ、黄海の。
波打つ岸に、端(はし)開き。延々(えんえん)北に、三百里。
東亜の文化進め行く。南満州鉄道の。守備の任負う、わが部隊。
<二番>
普蘭店(ふらんてん)をば、後にして。大石橋(だいせっきょう)を、
過ぎゆけば。北は奉天(現在は瀋陽)、公主嶺(こうしゅれい)。
果ては長春、一線は。連山関(れんざんかん)に、安東に。
二条の鉄路、満州の。大動脈をなすところ。守りは堅し、わが備え。
<三番>
黄塵暗く、天を覆い。緑林(りょくりん。匪賊のことです)風に狂うとも。
鎧の袖の一触れ(鎧袖一触)と。降魔の剣(つるぎ)、腰に佩き(はき)。
炎熱鉄を溶かす日も。氷雪肌を裂く夜半も。難きに耐えて国防の。第一線に勇み立つ。
<四番>
ああ十万の英霊の。静かに眠る大陸に。遺せし勲(いさお)、うけつぎて。
国威を振るい、東洋の。永き平和を理想とし。務めに尽くす守備隊の。
名に永久(とこしえ)に、誉れあれ。名に永久に、栄あれ。
曲は前記サイトでお聞き頂くことができます。
もう一番、
「内と外との、もろもろの。民の監視?の的となり。恩威等しく施して、来たるを迎え…」
という一節があったような気がしますが、思い出せません。
私の記憶が正しければ、前記四番は五番ということになります。
一番の「黄海」が「航海」になっていたり、インターネットのサイトの中には随分
怪しいところがあります。
もちろん私の思いだした歌詞も、かなり怪しいところがあると思います。
本当は土井晩翠全集にでも当たるべきでしょうが、そこまで調べてありません。
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