2004.10.29

年寄りの泣き言


                                                            増田 次郎

先日恒例のシルバーフェスタ・オンステージ2004が、練馬区文化センターで開催さ

れました。昨年のフェスタは切腹のための入院直前でしたが、さほど疲れませんでした。

もっとも、出番が少なかったせいもあったのでしょうか。

ところが今年は本に疲れてしまいました。


去年は怪しいお芝居のお付き合いは、舞台裏のナレーターだけでしたが、今年は通行人

の一人で舞台に登場し、二言三言セリフまであり、午前のシルバーヴィラの部から午後

の創生苑の部まで、二回の出演になりました。僅か5分か10分ぐらい舞台にいただけ

でしたが、こんなに疲れるとは思ってもいませんでした。

そのほかはその他大勢で歌を歌っただけですが、舞台の袖で待っている時間も含め、

結構拘束時間が長かったので疲れたわけです。



たったの1年、年とっただけで、こんなに馬力がなくなるとは思ってもいませんでした。

まだ76才。わが先輩の島さんは私より3才もご高齢!であり、すっかりお疲れになった

ことは先日ご本人がお書きになったエッセーでご承知の通りであります。

島さんには毎朝のように電話でご機嫌を伺っていますが、その話の中身は体力の衰えを

嘆き合う昨今であります。

来年はフェスタの出番を少し減らしてもらおう。いろいろなシルバーヴィラ内部のイベ

ントへのご協力も、ほどほどのところでご勘弁願おうということで談合をしたところです。



ただ年のせいというと、わが敬愛する岩城祐子先生は島さんよりもさらにご高齢ですから、

年を理由にするのは迫力がありません。

「あの先生は人間ではない、化け物である」などと、体力、気力全てで敵わない腹いせに、

島、増田の両弱虫は先生の悪口、かつは泣き言などブツブツ言い交わしております。


私にしてもシルバー入居後、海外旅行からは足を洗いましたが、国内の旅行には奄美大島

など泊まりがけでしばしば出かけておりました。

それが今年は一度も出かけておりません。行く気に全くなりません。

こんなことでは、先が思いやられます。後二三年で死ぬような気は全くしません。

恐ろしいのは寝たきりになることと、頭が惚けることです。

今天気のよい日は、必死になって近所を散歩しています。

翻訳をし、銀杏の原稿を書き、

「やっとこさっとこ」に何の役にも立たない話を書かせて頂いています。


有り難いことに私の友人が、ときどき私を慰問に来て下さいます。

メールも入ってきます。

先日原さんから、ファンレターならぬファンメールが入っていたというお知らせを頂き、

感謝感激しました。


吾と来て、遊べやオジン、オバンたち

お粗末でした。まずこれまで。                          目次へ