2004.9.11
老人と手術


                                                                  増田 次郎

昨晩(9月9日)紙パルプ関連企業OBの友人たち(メンバーは早稲田の同級生で紙パル

プ企業に就職したO君とH君と私の3人、それぞれが在籍した会社の後輩、仕事上つき合

いのあった商社員ならびにメーカー技術者)と、「恵比寿ガーデンプレース」のビアホー

ルで、久しぶりにビールを飲みました。

前回同じメンバーと虎ノ門の飲み屋「鈴伝」で会って日本酒を飲み交わしたのは6月7日

でしたから、昨夜は3ヶ月ぶりの再会でした。そこで皆から異口同音に言われたのは

「あなたは随分元気になった。顔色が本当によくなった」ということです。

6月7日も大分元気になっていたからこそ、飲み屋に出かけて飲んだのです。

前回そんなに顔色が悪かったとは、自分では思いもしませんでした。



昨年11月20日に「たまる話」という表題で駄文を掲載させて頂いた中に書いた通り、

本格的な手術を受けたのは11月6日でしたから、昨夜は術後約10ヶ月だったことにな

ります。術後半年の6月はまだ心細い顔色だったのです。

10ヶ月経過してやっとかなりよい顔色になったということになります。

回復には随分時間がかかったものだと思います。

しかし物は考えようで、まだ健康が回復の途上にあると思えば、さきざきもっとよくなる

という楽しみがあります。次回は12月10日に新橋の嵯峨野そば屋で会うことになって

いますので、そこで皆さんからどういわれるか、大いに期待しています。



先日シルバーヴィラ向山応援団の有力メンバーであるWさん(大正15年早生まれの女性)が、

動脈瘤を除去するため開腹手術を受けられました。

退院されたとき「当分は無理をしないように。私も退院するとき回復には半年から1年か

かると言われました。あなたも70代後半。無理がきくわけはありません」と自分の経験

をお伝えしました。

果たせるかな、思うように身体が動かず、いらいらしているというメールを頂きました。

Wさんは細身ですが非常にお元気な方で、これまで手術はおろか入院もしたことがないと

いう、健康に恵まれた大変幸せな方でした。

それでも退院後何となく疲れやすく、思うように身体が動かないと言っておられます。

年寄りが手術をすることの健康への負担の大きさを痛感させられた次第です。


もう二度と手術はしたくありません。

好きで手術をする人はいないでしょうが、私は手術しなければ死期が早まるといわれても、

ご免を被りたいと思っています。75才(現在は76才になっています)で手術をしても、

これだけ身体が弱るのですから、これからさらに年齢を加えていった後で身体にメスを入

れたらどうなるかは、おおよそ見当がつきます。


年をとったら健康第一。

若いときには無理がきいていましたが、年をとったら無理は禁物だというのが最近の私の

半ば諦めの心境です。
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