2003.7.29
前向きレポート
年少組 増田 次郎
私がこの老人ホームに入ってから丁度2年間。早いものです。皆さん一斉に年をとられますから、2年経っても私は依然として最若手です。この欄の読者の年齢層がどのくらいか存じませんが、老人ホーム入居者予備軍もおられる(ご本人ではなくてもご家族の場合も含めて)と思い、老人ホームに入ることについての私見をご披露します。
老人ホームに入ることのメリット
1.安全である
近頃治安がひどく悪くなっているが、少なくとも私の入っているシルバーヴィラ向山は安全である。夜勤がいるので夜も泥棒などは入りにくい。勧誘や押し売りの類もフロントで防いでくれる。
2.ぼけ予防になる
90才を超えるとかなり頭脳が衰えてくる。いわゆるボケである。
ボケは大学教授にも大会社の社長にもお構いなしに発生する。情けないことである。
どうしてぼけるのかはよくわからないし、防ぐ方法もはっきりしないようである。
しかしぼけた人を見ているとああいう状態にはなりたくないと思う。
そのため己を戒める。 これはボケ防止に有効だと思う。
3.自分のペースで生きて行ける
ほかの入居者に迷惑をかけさえしなければ、酒を飲もうが、起きていようが、寝ていようが、旅行でも何でも本人の自由である。
(これは老人ホームに入るときの重要な選択基準)
デメリットは
1.惚けた人に日常生活を乱される
幻聴、幻覚はボケに必ず随伴しているようである。
これとのお付き合いは有り難くない。お手洗いと廊下の区別のつかない方がおられる。くずかごをトイレと思いそこに大きい落とし物をなさる方がある。私なら腰砕けになり絶対できない。最大のデメリットはこれであろう。
私は人間は常に前向きでありたいと思います。
デメリットをメリットだと思うことが老人ホームで楽しく暮らすための必須条件です。
年をとって肉親に迷惑をかけるより自分のペースで独立して人生の最後を迎えたいと思い、
この生活を選びました。ご参考になれば幸いです。
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