2011.3.27
有事の助け合い、 政府の無策
未曾有の震災である。被災地はがれきの山と化した。日本各地はもとより世界の人々からも支援の輪が広がっている。
テレビのコマーシャルも物資に窮している被災者への配慮からか、食品などの宣伝が自粛され、復興支援の呼びかけ
が流れる。地震、津波、原発事故と3重の苦難に耐える被災地を世界が見守っている。
震災により福島第一原子力発電所は大きな被害を受けた。これにともない電力不足からの計画停電という事態を招い
ている。不便さに戸惑いながらも、震災に遭った方々のことを思えば、これぐらいの我慢はしなくてはと誰しもが思
っている。その影響で店々の照明は自主的に節電し薄暗い中で営業をしている。通常が明るすぎたのかも知れない。
こうなってみると私たちは電気、ガス、水道を溢れるように使っていたことに改めて気づく。
どうにかしなくては、助け合わなくては、何とかしてあげたい、そういう皆の心が復興の要になっているように思える。
3月24日、選抜高校野球が甲子園で始まった。
「人は仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることができると信じています。私たちに今できること。それは
この大会を精いっぱい元気を出して戦うことです。頑張ろう、日本」。
阪神大震災の時に生れた球児、創志学園主将・野山の選手の宣誓のことばに胸打たれた。
それに対し、政府の無策に腹が立つ。
災害復興のために掛る予算が何十兆円という。多分増税も免れないだろう。
国会議員の歳費を6カ月間3割カットすればとの案もでているようだが、有事の為の資金はないの?
長年のばら撒き政策、年度末の使い切り工事等…、そのつけがここで問われる。貧しいかな、悲しいかな日本!
福島原発事故の対応に疑問を感じる。政府、東電、原子力保安院等の情報開示は認めるが、原子炉に対する後手後手
の対応策は素人が見ても明らかだった。この位はだいじょうぶ、この位は日頃から被爆しているなど紛らわしい放射
線の説明がなされた。事態がだんだん深刻になると小出しに危険度が露出してきた。
今、危険な現場で事の収拾にあたっている方々のことを思うと本当に心が痛む。
3月23日東京の金町浄水場から乳児の指標値を超える放射性物質が検出されたことで、突如行われた政府の食物と
水の摂取制限指示。指定された地域のみならず他の地域まで大パニックとなった。
そして翌日摂取制限の解除。今度は他地区を水の摂取制限指示。摂取制限と解除が、天気予報よろしく繰り返される。
暮らしを不安に陥らせる心ない対策としか思えない。もっと情報を整理し、先を見越して発表すべきだ。
そうでないと、ただ混乱を招くだけである。
近所の餅菓子屋の女主人がこう話した。
「東京に1才になる孫がいるの。3月23日の水パニックで、乳児に役所からペットボトルの水が支給されるというの
で貰いに行ったら、お誕生日を過ぎているからって貰えなかったのよ」。孫は支給日の2日前が誕生日だったそうだ。
「まだミルク飲んでいるんだけど、だいじょうぶなのかしら」。政府の線引きとはこんなもんだ。
女主人は近所のスーパーを回って水を買い集め孫の所へ宅急便で送ったと話した。
日本列島は未だ、余震が続いている。
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