2008.10月11日
子孝行


昼に一緒に買い物をし、その日の夕方、救急車で病院へ運ばれ、夜中に亡くなった父。

あっけない最後だった。母を最後まで見守り、娘たちに手を煩わせず亡くなった父。

「まあ、子孝行なお父さんだこと」。

「そういうの、子孝行っていうのよ」。

こどもへの思いやりがあると言うのだ。

確かに父母は子どもへの思いは強かった。子孝行…、なるほどそうかもしれない。


友人たちが言うように、長患いをしないことは子孝行なのかもしれない。

確かに悩ませない、困らせないはまことにありがたい親心である。


しかし本来、孝行とは親によく仕えることで、仕えるということは逆らわないということでもある。

人の意見に逆らわないということはなかなか難しいものである。

それなのに、偉いのかずるいのか、年老いた父は娘の小言をよく聞き流し、それなりに受け止めた。

だいぶ違うと思っても黙ってこらえる姿を見せた。それでも、最後はしっかり自分を貫いた。

先に逝った母もそうだった。子に仕えたふりをして自分を通した。しかしながらそれも子孝行。


目一杯、こちらに苦労させ、苦楽を味あわせてくれるのもまた子孝行かもしれない。

誰もが通る年寄り道、生き方見せて亡くなった父母を思い考える。

後からふつふつと思い起こさせる、子孝行。そんな力があるのかも知れない。

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