子育てカラスにご用心!
「おっ! 」自転車のブレーキをかける。ドスンと頭に衝撃を食らった。衣類を詰め込んだ風呂敷が落ちて
きた感触に似ている。何が落ちて来たのかとあたりを見回した。何もない。低木の枝にでも当たったのかし
らと、もう一度あたりを見回したが思い当たるような枝はない。
自転車をこぎだした瞬間、またドスンと衝撃。「あっ!」。頭を足でつかまれたような感触。
続けてまたドスンと。敵は頭上から前方へ飛び去った。カラスと確認した。思いがけな襲撃に足はがくがく。
ジャケットのフー ドで頭を包み、カラスの旋回する方向をさけて家路を急いだ。
友人は「カラスは利口だから、いじめた人を覚えているんだって。あなたその人に似ているのよ。人違いよ」
と笑うが、笑っている場合ではない。覚えられてはたまらない。しかし、人違いするようでは、カラスも利
口じゃないと娘は笑い、ぼけーっとしているからカラスに狙われるのだと亭主はカラスの肩を持つ。
顔を覚えられたのだから襲撃対策をしなければとインターネットで情報を収集。
やはりカラスは脳が大きく記憶力が良いのだ。そして必ず後頭部を襲うという。
対策は、カラスの目を見ること、そして手なり棒なりで威嚇すること、帽子をかぶり傘をさしたりする事も
効き目があるという。ぼけーっとしていてはいけない。
4月から7月はカラスの子育て時期。巣がある近くでは立ち止まったり、うろうろしないこと。
不審な動きをするとカラスも警戒する。カラスもこどもを守ろうと必死なのだ。皆さまご用心を。
2008年5月20日付 東京新聞朝刊
「街かどアイ」に掲載
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