2008.3月20日
彼岸の花束
彼岸の中、広尾の祥雲寺に墓参り。墓に眠る母にとって初めての彼岸である。
明治通り沿いにある祥雲寺は地下鉄広尾駅から歩いても数分のところにある。
このお寺は戦国武将、黒田長政の墓など大名の墓所群がある。明治時代(明治32年より数年間)ペストが
流行し、病気予防のために多くのネズミが殺されたという。そんなネズミ達を供養するために明治35年に
建てられた鼠塚の碑もある。
祥雲寺の境内の入り口にある花屋で花束を買った。1500円、彼岸用にとくるまれた花束の包みをのぞくと、
赤、黄色、白にオレンジ、紫とピンクなどの花々が入り混じり、どの包みも色の調和が良くない。
よく見ると季節柄菜の花が入っているものが多い。菜の花は好きだが、日に日に茎が伸びてしまう嫌いがある。
菜の花をよけ、スイートピーが入った紙包みをとった。金盞花、白菊、黄色い菊と赤い菊、カーネンションに
スターチス、ストック、スイートピーの間に名も知らぬ紫の花。ごてごての色合いである。
亭主は花束をのぞき、「ええ〜っ、そんなの選んだの」という顔をした。選ぶには選んだのだけれど、彼岸
用にセットされた花束の中で選んだのである。それでも花は生きが良く勢いがあった。いくらステキな花で
もくたびれていては頂けない。茎も切り詰めてあってそのまま生ければよい。手間いらずである。
そんなにぎやかないろどりの花たちを墓に飾ると、墓碑が不思議に華やいだ。
お墓にはいろどり鮮やかな花がよく似合う。母の墓碑がうれしそうにこちらを見ている気がした。
あたりを見れば、あの花屋で買ったとおぼしき花たちが墓地のあちこちで咲き誇っている。
色とりどり、いろんな花が墓地を飾る。いろんな花があるように、いろんな人たちが眠るこの場所。
水桶と花束と線香を手に人々が会釈して行き交う。普段は寂しい墓地がこの時ばかりは、ぱっと華やいで墓
地が生き生きして見えてくる。そんな中、花の飾っていない墓は、花束と線香が早く来ないかと首を長くして
待っているようでもある。墓碑の前で手を合わせ、またお花持って来るねと母に約束した。
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