2006.9月10日
重傷レース



9月3日、晴天なり。

一級造園施工管理技術検定学科試験、尾山台にある武蔵工業大学の試験会場へと受験者の行列は続く。

この試験、造園様式から始まって、植物、植栽はもちろんのこと土工、コンクリート、アスファルト、

石積み、設備、建築、測量、法規…、とやたら広範囲。

これらを収容能力乏しい4畳半頭に詰め込むのだから難儀である。

やっと積み上げた学習である。崩れる前に、忘れる前に何とかしたいおばさん。

と言っても試験は水物、神様次第。時の運を信じて問題用紙をめくる。


うそーっ! ちょっと、ちょっと、何よ! 思わず心で叫んでしまった。

つまり過去問では4択問題は「適当なものを選べ」「適当でないものはどれか」と問う形であった。

それがどうだ、「適当なものの個数はいくつか」と出題傾向が変わっているのである。

こんなことで完全に調子を崩した。

要は同じことなのかも知れないが、お粗末な頭ではこれが番狂わせとなる。

正解は一つ、過去問で鍛えた頭が考える。当たりは一つ、長年身についた考え方でもある。

出題の傾向に戸惑い、記憶のあいまいさ、詰めの甘さも知って試験は終った。


9月5日、午前9時、インターネットに向ったおばさん。

この日、この時刻にネットで正答が公表されるのだ。

試験はどれにしようか迷うあたり競馬に似ているが、正答合わせは宝くじの番号照らしと似ている。

「お楽しみだな」と亭主が言う。

答え合わせというものは、正誤に一喜一憂し、はらはらもするが、試験無くして味わえない醍醐味でもある。

期待と現実、緊張と安堵感が絶妙に入り混じり、何やら忘れていたときめきすら覚える。

それが65問もあるのだから楽しみもまた格別なのである。

結果、65問中、正解は45問となった。70%以上が合格ラインであるという。

65問の70%は45.5問となるから合否は微妙な線である。

「7割以上と言われたら、8割取ってなければ」と亭主。鼻先レースではダメだとおっしゃる。


試験は一馬身、二馬身の差で勝たなければいけないのだ、と思ってはみるものの、

第四コーナー回ってラストの直線コース、

ここは何とか正解数45問で「そのまま!」と、逃げ切りたいのだが…。
                                                                         
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