2005.9月26日
当世同級生親事情
「あなたと同級生のあの子、ちゃんと子どもを育てているんだからエライ」。
独り立ちどころか、自分の生活もままならぬわが息子たち。
結婚なんてとんでもないが、夢の風呂敷を広げるばかりの次男坊に、こう言って喝を入れたら、
「あいつとっくに離婚してるよ」。彼女の方が引き取ったと次男はあっさり答えた。
子どもを抱えての生活、女性はとかくつらいものだと一般論を展開するおばさんに、
「こども、取りっこしたんだって。親同士、子どもを取りっこしたらしいよ」と息子。
彼女の実家の方が金持ちだから、彼女が育てる方が正解でしょと息子は偉そうな口を利く。
君は大いなる愛をテーマにした小説や映画が好きで、年中見ているではないか。
さて、君はそれらから何を学んでいるのかと次男に問いたいおばさん。
それでも、押し付けよりは取りっこの方が何ぼかいい。
「取りっこされたなんて、子どもにとっちゃ幸せなのかも」と亭主に話したら、
話なら後からいくらでも言えるよと、これまた意味深長なのである。
「同級生で結婚している子がいるっていうのに…」。銀行で出あった彼女はこぼす。
大学を卒業して何年も経つのに独立する様子がさらさらない。
おまけに就職も変えるし、貯金も無いと打ち明ける。
何をおっしゃる家(うち)だって、疑似フウテン族がいるのだ。
「結婚って勢いなのよ。考えちゃったらしないわね」。
自分が結婚したのも勢いだったと振りかえり「よく考えたらしなかったかも」と笑った。
お金が無くても、不安定でも結婚したいと言った時がチャンスだと彼女は付け加えた。
「結婚は勢いよ」通帳を確かめながら彼女は窓口へ向った。
スーパーで買い物を詰めていたら、長男の同級生の母親と出会った。
「し ば ら く。 ねぇ、ちょっと、大変。 息子、結婚するの」。
息子さんの結婚式はいつと尋ねたら、
「結婚式? しない、しない。 だって、うまく行くかどうか分からないじゃない」と彼女。
別れるかもしれないし、不確かなものに出費する必要無しというのが彼女の論だ。
「取あえず入籍するわけ。さて続くかどうか…」。今、同棲中とこっそり話した。
長男と同級の娘さんはすでに結婚して子どもが2人いる。
娘さんのご主人、年令差は一回り以上違うと聞いていた。何と息子さんの彼女も一回りも上と言う。
えらく年上の嫁さんというのが気になる彼女に、えらく若い女の子よりも楽かもと助言したおばさん。
「ヤンキーよりいいかもね」と彼女はうなずいた。
時期来たりなば悩み遠からず。わが家の方針としましては…、
ジブンデ カイケツ サレタシ (チチ、ハハ)
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