2005.8月29日
認知、判断、操作、勇気



始めての運転免許更新講習会。

この日集められた100人あまりの対象者は、大きなスクリーンの 前で開始を待つ。

まずは交通事故映画の鑑賞と相成った。

役者がスゴイ。元ジャー ナリスト役は里見幸太郎だ。

二枚目、原田龍二は酒酔い運転で子どもを轢き逃げし、自首し罪を償うという役。

事故は被害者の家族のみならず、加害者の家も破滅に導くという話なのである。

加害者は民事訴訟で一億の損害賠償を請求される。家屋を売り払っても追いつかない。

夫は服役中、賠償額の返済に奥さんは奔走するが力尽き自殺。

残されたこどもを心配する原田龍二に里見幸太郎は手紙を綴るのだ。

こどもは 親族に預けられたから心配するなと。


ここで里見幸太郎をクロー ズアップ。

「勇気、勇気が大切なのではないか」と彼は問いかける。

「あの時…」酒を飲んでいるからとはっきり運転をことわる勇気があったら…。

「あの時」あわてて逃げたりせず直ぐに救急車の手配をしていたら…。これも勇気。

もしかしたら被害者の命は助かったかもしれない…と回想するのだ。

さすが元、助さん。今、黄門さま。出てくるだけで説得力がある。

「ハハッー、ごもっとも」と頭が下がるのである。


「里見幸太郎さんが言っていましたように勇気が必要なんです」と警察職員。

「映画の損害賠償額は一億円だけど、確か昨年、賠償額が2億何千万円となった件が

あったな」と驚かす。

刑事事件は罪を償えばことが済むが民事訴訟の方はとにかく大変と念を押す。

神奈川県下、運転免許を取得できる年令の中で免許を持っている割合は1.4人に1人という。

「いつ事故が起こっても不思議じゃない」と警察職員は断言する。

ルール無視、必要以上の車線変更、追い抜き、スピードが事故を招くようだ。

安全運転は認知、判断、操作の繰り返しと講師は何度も説いた。


選挙も交通戦争なみの渋滞を呈してる。車線変更したとてスイスイ流れまい。

政治も選挙も、認知、判断、操作の繰り返し。問題は郵政民営化だけにあらず。

さて、黄門さまどうしましょう…。

勇気を持っても、いまだ票を入れるべき政党が見つかりませぬ。
   
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