2005.8月1日
ハンカチーフ下さい



おばさんは最近やけに首に汗をかく。

以前、友人が汗取りと称しハンカチを首に巻いていたことを思い出した。

キザっぽくもなり、ダサくもなるこのスタイル。

少々抵抗もあったが、いざ巻いてみると実に爽やかで快適なのである。

そんなワケで、おばさんの日常ファッションに大変化が起きた。

服に合わせたり、巻き幅を変えたりと、ハンカチが主役級になりつつある。

やや横に結ぶと、鋭角のリボンが顔を元気に見せ、上手く行けば小粋さを演じる。

吹き出る汗、この夏、心強い見方が出来たと内心喜んでいる。


首巻きハンカチは首の日除にもなる。

プランターの一鉢に何か植えようと花屋へ向った。

花屋の奥さんは、ポーチュラカにしたらと言いながら、

首に引っ掛けたタオルで汗を拭き拭き、

「あんたも首に巻くようになったね」と、こちらを見た。

奥さん曰く、首の汗かきは年取った証拠なのだそうである。


夏の夜、懐メロソングが流れるテレビに目をやると…、

♪恋人よ ぼくは旅立つ  東へと向かう 列車で〜

♪ねえ、涙拭く木綿のハンカチーフください ハンカチーフください

ご存知、太田裕美が歌う「木綿のハンカチーフ」。

恋人を思い、恋に破れ、木綿のハンカチーフで涙を拭きたいと切なく歌う。

が、歌う太田裕美も、懐かしく聴く方も、いまや更年期世代。

♪ねえ、首の汗取る、ハンカチーフください ハンカチーフください

涙対策よりも汗対策なのである。
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