2005.7月10日
流儀あり



「半分干してきたの」空を見上げる彼女。梅雨の晴れ間、外出時は洗濯物が気になる。

この分じゃ雨も降るまいと、半分干し残した洗濯物を後悔する彼女。

同じ空の下、洗濯物を全部干してきたおばさん。

半分干すに留めておけば、もし雨に降られても被害は少なかったとこれまた後悔なのだ。

干しても干さなくても、いずれにせよ悩む。

乾いた乾かないの問題だけでない、洗濯物は干さないで放って置おくと臭くなる。

梅雨時とあらばよけい神経質にならざるを得ない。


「バスタオル洗う日じゃなくて良かった」。

洗濯の大物、バスタオルは3日に一度洗濯するのだと話す彼女。

「うそっ、毎日洗わないの?」3日も連続で使うなんて到底考えられないおばさん。

毎日大物バスタオル3〜4枚を洗う身としては、ただただ仰天するのである。

対して、各自専用のバスタオルは毎日洗う必要はないと主張する彼女。

「うそっ、あんたの家って同じバスタオル使ってるわけ…」彼女もまた驚くのである。

言われて初めて、我が家は共同バスタオル使用であることを確認するのであった。



我が下宿には早朝6時前から洗濯機を回す学生さんがいる。

洗いが一巡すると、またスイッチを入れる。しめて3回ほど回す彼。

男子学生一人の洗濯である。梅雨時、乾かすには時間との勝負もあるというのに…

何故にこんなに長く洗濯をするのか気になるおばさん。

そんな(洗濯好き?)の彼が、自炊生活苦にはならぬが一番厄介なのは洗濯なのだとこぼした。

母親からの教えで、色物洗いは別、靴下洗いは別、〆て3回洗濯機を回すのだという。

「あら、丁寧に分けるのね。洗濯物、みんな一緒くたに洗ってもだいじょうぶよ」。

洗濯熟練者たるおばさんの安直なる提言に

「その家の流儀というものがあるから!」あわてて亭主はダメを出した。

なるほど家庭に流儀あり。

下宿をさせての洗濯教育、超略式は手本ならず!


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