2003. 5月19日
食べるが勝ち



午前10時、日比谷線広尾駅、外苑西通りを六本木通りへ向かって5分ほど歩いた。

朝食はごく軽く済ませ腹は快調。

「食べるぞ!」と香港チャイニーズガーデンの前に立ったおばさん。

毎月第1月曜日のランチタイムは、3,000円→2,000円とあって席の確保が大変と聞いている。

仲間より一足先に着き、23番の整理券を受け取った。

間もなくやって来た仲間たち。「Hさん来ないわね」残念と不安がよぎる。

ここのランチタイムを唯一体験済みの彼女が用あって来られなくなった。

午前11時、番号順に案内され席につく。おばさんグループは4人席。

「お料理はワゴンで回って参ります」と広い店内にアナウンスがとどろく。


「いかがですか?」料理を載せたワゴンがやってきた。

「4皿」人数分を頂く。飲茶は料理がちょこんと乗っている。

「いかがですか?」次の料理を載せたワゴンが通る。

「4皿」。食も好奇心なり。次々回ってくるワゴンから料理を受け取る4人。

「注文もせず、座って食べているだけって何だかニワトリが餌さ食べているみたいね」

4人の箸がかわるがわる食卓に伸びる。

何故か料理は揚げ物攻め。「ちょっと、野菜料理ってないの?」

選ばず拒まず片っ端から頂いたおばさんたち。

から揚げから始まって、揚げパンもどきにチャーハンと続く油攻めに、飲み放題のウーロン茶ば

かりに手が行く始末。


「いかがですか?」やっと来た来た野菜料理に北京ダック。

敵もさるもの引っ掻くもの、頃を見計らってのサービスメニュー。

食べたくとも、はやお腹が許さない。

酢豚、かに玉、遅すぎる。


「いかがですか?」微笑みながら覗き込むウエイター。

情けなや、白旗マークが顔に出る。

ふと見回すと後ろのテーブルは戦中派の女性たち。

食べるが勝ちと相手の作戦にも動ぜず黙々と食べ続けている。何とここは戦場だった。

欠席の彼女が居たならば食い意地作戦も立てられたものを‥。

吉田兼好の「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり」。

ワレラ納得ス。


☆訂正(香港チャイニーズガーデン→香港ガーデン)            目次へ