2003. 3月25日
行き着くところは説教節
長編アニメで宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」が受賞。
アカデミー賞授与式のニュースを横目に「宮崎クン、路線違うんじゃないの?」と亭主。
「何て言ったって、となりのトトロよ」
トトロ的作品は見終わった後、頭の中は空になり実に爽やか。
おばさんも亭主と同じく日常の一コマ一コマをさらっと描く彼が好きだったのだ。
とにかく宮崎アニメの極致はリアリティにありと思う二人。
「何でああなっちゃうのかなぁ」といぶかしがる亭主。
「何だか、みんなはまっちゃうのよね」とおばさん。
結婚20余年、数知れぬケンカはあれど阿吽の呼吸。
とにかく歌にしろ映画にしろ説教節は面白くないと感じる二人。
山田洋次の「寅さん」も、歌謡曲も行き着くところは何故か説教節。
「千と千尋の神隠し」は主題歌が良かった。歌の力が大きかったのでは‥。
歌詞には説教めいたくだりもあるが、なぜかストレートに響く。
「♪死んでいく不思議、生きている不思議〜」と歌っているが、
何故か素直な作り手の気持ちが伝わる歌の不思議なのだ。
「意図しなけりゃ作れないよ」って宮崎クンは言うかもしれない。
彼が子どもに伝えたいメッセージはよーくわかる。
でも、「構えすぎ、やりすぎ!」が亭主の意見。
映画館から深刻な顔をして子どもが出てきたらどうする?
映画は夢と娯楽性、そしてテーマは言わずと知れた愛。
どう表現するかが腕の見せ所。カムバック、トトロ的宮崎クン。
「説教節になるな!」「御託はいらない!」と我ら夫婦。
じゃぁ、見ないかって‥?
いえ、見せていただきます。 目次へ