役人給与の見直しを
昨年のことだが、溝口のデパートの渡り廊下に子どもたちの習字が展示されていた。
「年末調整」「確定申告」「青色」「申告」「ぜい」など税金に関する字が並ぶ。
主催者は地元の税務署。細い字、勢いのある字、元気な字がずらり。「ぜい金って何だろう」と
思いながら、一生懸命書いたのだろう。気持ちが伝わって圧巻だった。
大人たちも「税金って何だろう」と問い続けている。
年末調整で多少でも還付金が戻るとうれしくなり、財布のひもが緩くなる。
確定申告で保険料控除、扶養控除などを書き込む時は「税額が安くなるかな」と期待。
配偶者特別控除などの廃止論があるが、この時期に実施されれば、ますます消費が落ち込むだろう。
役人の給与引き下げなどは民間に比べるとまだ優遇感がある。まず役人の人件費の見直しを徹底
してからでないと納得いかない。
相田みつを展を見て、彼だったら税金のことをこんな風に書くかも、と思った。
「大切なのは、もらい方と使い方なんだなあ」
2003年2月21日付 東京新聞朝刊
「レディスアイ」に掲載 目次へ