2003. 2月4日
極楽検査の心得
「胃カメラはつらい」と友人に言えば、「大腸検査は大変」「何たって尿道検査が一番痛い」と
痛さ自慢が始まってしまうほど検査には痛さや、我慢がつきもの。
「心電図とか、超音波は楽」と切り返えせば、今度は楽チン検査に矛が向く。
通院常連のおばさんに検査の指令はやって来た。
「骨粗鬆証の検査はいつがいいかな」と医師。骨粗鬆証を心配する段階に入ったのだ。
いつでもOKとうなずくおばさん。骨粗鬆証検査は大歓迎。心地よい曲、音量でBGMが流れる
中、ベッドに寝ていればいい知る人ぞ知る極楽検査。15分間目を軽く閉じ横になる。
おばさんは検査室で広々とした天井を見ながら時間を独り占めしたようなリッチな気分に浸る。
誰にも邪魔されないこの極楽境地。「検査だから」とおお威張りでリラックスできるこの時間。
あー待ち遠しいと、検査室前に座った。
先客がいるようだ。
いままさにリラックスタイムと思いきや「痛ーッ!」部屋からもれるうめき声。
「痛がっていますので」と検査士がドアを開けた。ドア付近に立っていた女性が入って行った。
「痛かった?」と老人をかばいながら女性は出てきた。
「次の方」の言葉でおばさんは検査室へ。「以前やったことありますよね」と検査士。
なんら極楽検査は変わっていない。どこで痛いと叫んだのか不思議になった。
ベッドに横になり足を四角い台にヨイショとあげた。
分かった、このヨイショの姿勢が痛いのだ。
「この高さが辛い人はこっちの高さにするんですけど、足を上げるのが痛くて泣き出す人もいま
すよ」と検査士。
後日、おばさんの骨塩定量結果は若者の80パーセントと分かった。
「今回はセーフ」と渡された予防のしおり。「読むだけじゃダメ、実行だよ」と医師。
分かっているって、栄養、運動、日光浴。
ヨイショが楽に出来なけりゃ、極楽検査になりませぬ。 目次へ