2003. 1月8日
着いて来い!



達者な歌い手、達者なお年寄りが登場するご存知“NHKのど自慢”。

ほのぼの音痴、のりのり音痴が会場を盛り上げる。

音痴にもいろいろあって、リズム音痴に発声音痴、音程音痴のタイプにわかれるそうだ。

本人が自覚してない無自覚音痴というのもあるらしい。自覚音痴なら、のどの筋肉を訓練するこ

とで直るという。のどにある輪状甲状筋が音程を決める。低い地声と悲鳴のような高い声を出す

発声練習をすることによってこの筋肉を鍛えるのだ。「直っちゃ面白くない]がおばさんのご意見。

NHKのど自慢、はこの“ずれ”が売り。

司会者だって、我流テンポのお年寄りに「おいくつですか、お元気ですね」とニコニコ顔。

「ずるい、特別賞はこのおじいさん」息子はお決まり審査を批判しながらも抱腹絶倒。

おっとっと、伴奏は痛ましい程におじいさんのテンポにに引きずられる。

「リズムに乗れないのね、それにしても本当に元気」と感心する。

「本人は伴奏と合ってるつもりなのかしら」

合唱を楽しむおばさんたちに“ずれ”はご法度。

合唱練習をさぼり気味のおばさん、声もテンポも訓練あってのものと反省、練習に顔を出した。

伴奏に乗ってのハモリにしびれるおばさん。先行き我等に“ずれ”は心配無用とみた。

気分は上々。‥と、

「あのー、ピアノに合わせて歌って下さい」

「伴奏聞こえてますか?」

「皆さん気持ちよく歌っているのは分かるんですけど」と合唱指導の先生。

早めに入ろうとすればつまずきそうだし、用心深くと思うあたりが“ずれ”の始まりか。

「伴奏をよく聴いて、伴奏に合わせて歌ってください」再度の注意。

「ずれる?どこが‥」

「伴奏が歌に合わせればいいのに」と居直るおばさんたち。


「皆さんお元気ですね」と褒められる日、近し。
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