2003. 1月3日
お年玉協定



昨年の暮、車内で女性二人がお年玉をいくらに設定するか話し合っていた。

「ねえ、とし君のお年玉いくらにする?たしか中学生になったのよね。中学生の相場って‥」

中学生で5千円、高校で7千円、大学生で一万円という線を打ち出したが、7千円ではもらった

方もあげる方も半端ではないかと言うのだ。「高校で一万円にしちゃうと後が続かない。どうせ

半端な額にするなら昨年は3千円だったから、今年は4千円ではどうかしら。毎年千円づつ上げ

て行くと、6年後の大学生の時一万円になるわよ」

結局、中学・高校・大学別均一設定の方がすっきりしているということになった。

向こう10年のお年玉予算が決まった。行き当たりばったりのおばさんとは大違い。

エライ!見習うべきところありと心の中で賛同した。

「みっちゃんたち小学生はいくらにする?」

「とし君が小学生の時2〜3千円だったでしょ。」

「小学生は2千円ね」

たくさんあげたって無駄遣いするだけ、本当に必要なものは親に買ってもらえばいいのだと話は

まとまった。まったく、まったくとおばさんは隣ですまして聞いている。

お年玉は金額でない、気持ち気持ちとエールを送る。

「ねえ、洋子ちゃんとこ赤ちゃん産まれたけど、あそこはどうしよう」

「お年玉なんて初めから上げなければ期待しないのよ。きりが無いから、これから対象になると

ころは無しにしよう」。

気持ちは分かるが、いまや少子化時代、きりはある。年に一度、福になるのも悪くない。

お年玉袋は福引に似ている、楽しさは謎の金額あるのだ。

「だめよ、裏切っちゃ。決めたんだから」

「あんたも、いい顔なんて無しよ」と確かめ合う二人。

腹探りのお年玉協定、裏切りありと見た。

定昇、賞与、ベアに雇用。期待させない、しない時代。

せめて子どもの期待は奪うなかれ。                       目次へ