DVD 　CONTENTS

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ある闘牛士の死　本編　　　　　　　　文責・中村文昭

　第一景　からだの中を黒い鳥が翔けていく（ソレアレス）

訃報を知ったとき、不思議に思われるかもしれませんが、わたしの心は、周囲の家具、揺り椅子や食器を包む静かな部屋──二人の生活が本当に幸福に満ちていたときと同じ表情で穏やかなものでした。けれど、立ち上がろうとすると、鳥の羽音のようなものがわたしの耳を封じ、真暗な空がしだいしだいにわたしの内部に拡がりはじめたのです。

　第二景　かつてわたしにも恋に恋する花花の日々があった（アレグリアス）
　わたしは誰でしょう？　野の花や小川で光る水面の精よ、わたしの未来は誰のものでしょうか？どうしてオリーブの木々は仏頂面をしているのかしら。春の喜びに浮かれるわたしは恥しらずな少女？　でも、神様は、きっと許してくださるわ。はじける夢、燃えるような恋をしたいわたしの心。その秘密の扉を誰が最後に開いてくれるのかしら……。

　第三景　おとことおんなの炎は死の舌を溶かす（サンブラ）

　第四景　鋭い死神の角よ、愛する者たちの鎮魂歌を聞け（ギター、唄）
　彼は帰ってきた。もう誰にも微笑することなく、しかし、誰の心をも受け入れる冷たいむくろとなって。聞く人でなく、囁かれる人。見つめる人でなく、永遠に見つめられる人となって……。

　第五景　老婆？いいえ、柩の中でわたしはあなたの花嫁（タラントス）

あなたは私を愛し、
私はあなたを愛した。

あなたはしつかりしてをり、
私は真面目であつた。──

人にはそれが妬ましかつたのです、多分、
そしてそれを偸まうとかゝつたのだ。　（中原中也「追懐」より）

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特典映像

1. アトリエURAへようこそ（URAインタビュー、演出家の構想メモ）
2. 書家、写真家、スタッフたちが語るURA
3. メイキング映像（練習風景／ロビーにて with URAの自然食）
4. 第五景 タラントス　別ヴァージョン（2003年公演より）