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第二回 新設分割の手続き![]() 2回に渡り、新設分割に関する概要について見ていくことにします。 今回は新設分割の手続きです。 |
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1. |
分割計画書の作成(第374条第1項)![]() |
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(分割計画書の記載事項)(同条第2項) (1) 新設会社の定款の規定 (2) 新設会社が分割に際して発行する株式の種類(第222条の数種の株式がある場合)・数、分割会社(物的分割の場合)またはその株主(人的分割の場合)に対する株式の割り当てに関する事項 (3) 新設会社の資本の額および準備金に関する事項 (4) 分割会社(物的分割の場合)またはその株主(人的分割の場合)に支払いをすべき金額(分割交付金)を定めたときは、その規定 (5) 新設会社が分割会社から(包括)承継する権利義務に関する事項〔雇用契約も含まれます。なお、必ずしも個々の権利義務を個別的に特定してその帰属先まで明らかにする必要はありませんが、特定の権利義務が分割会社または新設会社(もしくは承継会社)のいずれに帰属するか明らかになる程度の記載は必要であると考えられます。〕 (6) 人的分割の場合、分割会社の資本または準備金の減少をするときは、減少すべき資本の額または準備金に関する事項 (7) 人的分割の場合、分割会社が分割に際して株式の消却または併合をするときは、その方法 (8) 分割期日(分割をするために必要な分割の登記以外の法定の手続をすべて終了する予定日) (9) 分割会社が分割の日までに利益の配当または第293条ノ5第1項の金銭の分配(中間配当)をするときは、その限度額(割当比率の適正の維持のため) (10) 新設会社の取締役および監査役の氏名〔大会社の場合には、これに加えて会計監査人の氏名または名称(監査特例法第3条第8項)〕 (11) 会社が共同して新設分割をするとき(共同分割)は、その旨 |
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2. |
株主総会の承認(同条第1項)![]() |
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株主総会の承認には特別決議(発行済み株式の総数の過半数にあたる株式を有する株主が出席し、かつその議決権の2/3以上にあたる多数決)が必要です(同条第4項、第343条)。 |
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3. |
分割計画書の要領の招集通知への記載(同条第3項)→[分割会社の株主に対する事前開示] |
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4. |
新設会社の定款に株式譲渡制限(取締役会の承認を要する旨)を定める場合の(2)の決議(同条第5項)![]() |
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第348条第1項(総株主の過半数かつ発行済み株式総数の2/3以上にあたる多数決)が適用されます。但し、物的分割はこの限りでありません(分割会社の個々の株主は株式の割当てを受けないことから)。 |
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5. |
分割計画書等の備置(第374条ノ2)→[分割会社の株主および債権者に対する事前開示]![]() |
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(備置期間)(第1項) 承認をする株主総会の会日の2週間前(株主総会招集通知の発信期限)~分割の日の後6ヶ月を経過する日(新設分割無効の訴えの提訴期限) (備置書類)(第1項) (1) 分割計画書 (2) 分割会社(物的分割の場合)またはその株主(人的分割の場合)に対する株式の割り当てに関する事項につき、その理由を記載した書面 (3) 各会社(分割会社または新設会社)の負担すべき債務の履行の見込みのあること(従って、債務の履行の見込みのない会社分割は認められません。)およびその理由を記載した書面 (4) 承認をする株主総会の会日の前6ヶ月以内の日において作成した分割会社の貸借対照表 (5) (4)の貸借対照表が最終の貸借対照表でないときは、最終の貸借対照表 (6) 分割会社の最終の貸借対照表とともに作成した損益計算書 (7) (6)の損益計算書のほか(4)の貸借対照表とともに損益計算書を作成したときは、その損益計算書 (株主および会社債権者の閲覧請求等)(第2項) 株主および会社の債権者は、営業時間内いつでも備置書類の閲覧を求め、または会社の定めた費用を支払ってその謄本もしくは抄本の交付を求めることができます。 |
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6. |
株主の株式買取請求権(第374条ノ3)→[分割会社の反対株主に対する保護規定]![]() |
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承認をする株主総会に先立ち、会社に対して書面をもって分割に反対の意思を通知し、かつ総会において分割計画書の承認に反対した株主は、会社に対して、自己の有する株式を承認の決議がなければその有すべき公正な価格で買い取るべき旨を請求することができます(第1項)。 なお、買取請求の手続については、第245条ノ3、第245条ノ4(営業譲渡等に反対の株主の買取請求)の規定が準用されています(第2項)。 |
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7. |
債権者保護手続 (第374条ノ4)![]() |
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(1) 分割会社は、承認の決議の日から2週間以内に、その債権者に対し、分割に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を官報をもって公告し、かつ判明している債権者には、各別にこれを催告することが必要です。但し、物的分割の分割後も、分割会社に対しその債権の弁済を請求することができる債権者については、この限りではありません(その責任財産の額に変動がないことから)(第1項)。 (2) なお、債権者の異議手続については、第100条第1項後段、第2項および第3項(合併についての債権者の異議)並びに第376条第3項(資本減少の場合の社債権者の異議)の各規定が準用されます(第2項)。 |
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8. |
新設会社の資本(第374条ノ5)![]() |
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新設会社の資本は、(分割会社から承継する財産の価額-〔承継する債務の額+分割会社(物的分割の場合)またはその株主(人的分割の場合)に支払いをすべき金額(分割交付金)〕)を超えることができません。 この場合、新設会社が分割に際して額面株式を発行するときは1株の金額にその株式の総数を乗じた額、無額面株式を発行するときは50,000円にその株式の総数を乗じた額は資本に組み入れることが必要です。 |
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9. |
新設会社の資本準備金等(第288条ノ2)![]() |
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(1) 8.に規定する資本の限度額が新設会社の資本の額を超えるときは、その超過額は、資本準備金として積み立てることが必要です(第1項3ノ2)。 (2) 新設分割の人的分割の場合、(1)の超過額中、分割会社の利益準備金その他会社に留保した利益の額を超えない金額を資本準備金としないことができます(第3項)。 (3) (2)の場合、分割会社の利益準備金その他会社に留保した利益の額から(1)の規定により資本準備金としなかった金額に相当する金額を控除することが必要です。この場合、分割会社の利益準備金から控除する金額は、新設会社の利益準備金とする金額を超えることができないものとします(第4項)。 |
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